ホームインスペクション(住宅診断)とは?空き家の売却トラブル対処方法おしえます

空き家の売却後でよくある4つのトラブル

管理を持て余していた空き家を何とか売却できてほっとしていたのに、その後購入者との間にトラブルが生じるケースがあります。

 

買い主から「そんなはずじゃなかった!」「お金を返せ!」と言われても、既に売却で得たお金を使ってしまっていれば後の祭りです。

 

そのようなトラブルを避けるためには、実際にトラブルになっている事例を参考にして前もって対策を講じておくことです。近年、ホームインスペクション(住宅診断)という対策も広がっているので、その件についても詳しく解説していきます。

 

そこで、空き家の売却に関するトラブルの原因とその予防方法について調べてみましたので解説します。

 

ホームインスペクションについて

空家売却にホームインスペクションは必要か?

空き家の売却を試みても、なかなか買い手がつかない場合が最近多くなりました。

 

そもそも空き家自体が増加していることもありますが、買い手側が様々な条件を提示してくることも多くなっており、特に住宅の耐久性や耐震性を重視してくる買い手も多くなっています。
空き家を売りたい方には、空き家の耐久性や耐震性を明示するために「ホームインスペクション(住宅診断)」を行うことをぜひお勧めします。

 

そもそもホームインスペクションとは何か?どこに頼んだら良いのか?費用はどのくらいかかるのか?などの疑問や、メリットやデメリットなどを詳しく解説します。

 

ホームインスペクションとは

 

ホームインスペクションとは建物診断

ホームインスペクションとは、空き家などの中古住宅を第三者が客観的に診断して建物の状況や品質を出来る範囲で明らかにして、診断に対して証明書などを発行する行為のことです。

 

空き家の持ち主としては、現在の空き家の状況を把握できることで必要な補修の有無や補修の箇所も明らかできるので将来的な売却につながりやすくなります。

 

中古住宅の売買を推進する立場であることから、国土交通省も推奨している新しい取り組みですので、次第に不動産関係者だけでなく一般市民も認知し始めている仕組みでもあります。

 

ホームインスペクションは平たく言えば「第三者による中古住宅の診断書」であることから、物件を借りたり買いたいと思っている人には重要な指針として活用されています。

 

将来的には、ホームインスペクションを済ませている物件であることが信用の第一条件につながってくることも十分にあり得るでしょう。

 

あえて言うならば、将来的に解体を予定している空き家や当面破損や倒壊の危険を抱えておらず、ポツンと一軒家になっている空き家の場合は無理にホームインスペクションを行う必要はないでしょう。

ホームインスペクションの3つのメリット

それでは、ホームインスペクションのメリットを3つほど解説します。

 

いずれの場合も空き家を第三者に譲り渡しやすくなることはもちろん、空き家の管理上その状況を理解できるという意味で十分メリットがあります。

 

まずは、空き家をいつまでに売りたいか、どれだけの金額で売りたいかなど、持ち主としての希望とホームインスペクションにかかる費用とを天秤にかけながら検討することから始めましょう。

 

価値を第三者が証明してくれる

 

ホームインスペクションを行えば空き家の価値を第三者が証明してくれる形になります。

 

空き家の価値を示す指針としては自治体が賦課している「固定資産税」が基本になりますが、固定資産税は経年劣化を考慮しつつ「土地分」「建物分」として課税されているので、建物の価値を税法に基づいてあらかじめ算定している形になります。

 

つまり、固定資産税で「建物分は500万円の価値」とされている場合、果たしてそれが本当なのかを証明する方法が今までなかったのです。

 

その方法こそがホームインスペクションであり、それだけの価値を有するだけの建物であるかを調査して診断書を発行することで立証することができるのです。

 

第三者が「この家の価値は確かに500万円」と証明してくれれば、空き家の売買や賃借も信用を得てスムーズに進むことでしょう。

安全を証明できる

 

ホームインスペクションは空き家の安全性を調査する機会でもあります。

 

例えば建物の安全性を確認する意味で言えば「耐震診断」が考えられますが、耐震診断は最新の耐震基準に耐えられるかどうかだけを診断するもので、それだけの診断なのに費用は50万円から100万円程度(2階建て・3LDK)もかかります。

 

空き家なのに、耐震診断だけでそれだけのお金をかけることには抵抗もあるでしょう。

 

その点ホームインスペクションは耐震診断のように耐震基準の検査はしませんが、日常生活を送る際に必要なインフラの安全性や構造体の安全性などを細かく確認してくれるので、売却後の施設瑕疵トラブルを回避するためには十分なくらいの調査を行ってくれます。

周辺の住民に安全性を説明できる

 

空き家に関するトラブルで言えば、隣家に庭木が伸びきって越えてしまったり、台風や強風によって屋根瓦が飛んで隣家のガラスを割ってしまうなどが考えられます。

 

火災保険や損害賠償保険に入っているから「弁償すれば済む話」と考えるのは早計で、住人によっては「そんなことが起きたらどうするんだ」と起きてもいない事故や破損について要望を出してくる人間もいるのです。

 

そんな時にホームインスペクションの結果を提示すれば、第三者が空き家の安全性を証明してくれるので十分な説明責任を果たすことができます。

 

周辺の住民と空き家をめぐってトラブルになることは年々増加していますから、ぜひこの機会に必要な資料としてホームインスペクションを行ってはどうでしょうか。

 

なお、空き家に関するトラブルに関しては「空き家放置トラブルで損害賠償請求されないために知っておくべきこと」にも詳しく掲載しています。

ホームインスペクションを行うべき条件

みなさんが管理している空き家が速やかにホームインスペクションを行わねばならないかどうかは、建物の状態にもよりますが、なにより建物の今度の利用計画に大きく影響されます。

 

売却や賃貸などの形態で第三者に空き家を譲ることを考えている場合は、その契約をスムーズにいかせるためにもホームインスペクションを行うべきとは思います。

 

その他、これから紹介する状況にある場合はぜひホームインスペクションを早急に行うことをお勧めします。

 

売却や賃貸を予定している

 

売却や賃貸などの方法で空き家を手放して第三者が住むようなことになる場合は、ホームインスペクションを行っておけば契約の成立をスムーズにすることができます。

 

誰だって家を買うときは大きな買い物ですから、本当に安心して住める環境かどうかを気にするものです。

 

実際、中古物件を購入した場合には購入後に見つかった瑕疵について売主に問うことはできませんから、契約する前にできるだけ住居の状態を理解してから購入を検討したいものです。

 

そういう買い手の心情を理解するならば、ホームインスペクションの結果を提示してあげれば安心できるでしょうし、売却後のトラブルも防止することができます。

再び誰かが居住する予定

 

自分自身やその子どもたち、親族等が将来的に空き家に住むことが予定されている場合は、その時にも安全に暮らせるように現状を把握しておく必要があります。

 

住居を長持ちさせたいならば、まず「何年持たせる」という計画を立て、逆算して「〇〇年持たせるにはどの部分をどのように修理するべきかを検討することになります。

 

その際にホームインスペクションの結果があれば、具体的に修繕が必要な箇所も分かりますし、修繕計画を作ることも容易です。

周辺の住民に管理上の不安を与えている

 

既に周辺の住民に悪影響を与えていたり、将来的に空き家による悪影響を不安心する隣人がいる場合には、ホームインスペクションを速やかに行って安全性などを証明する必要があるでしょう。

 

もし今の時点で不安を訴える住民がいる場合には、具体的な不安を聞き出して該当する建物や設備について重点的にホームインスペクションを行うことも可能です。

 

ホームインスペクションを行うことを伝えるだけでも、住民サイドには「空き家の管理者はきっちりと管理を行おうとしている」と誠意が伝わりますし、結果を伝えてその内容が悪かったとしても「改善します」「改善の方法は具体的には〇〇です」などと説明できれば、関係が悪化することはありません。

ホームインスペクションの方法と費用

住宅診断

それでは、具体的にホームインスペクションを行う際の方法や掛かる費用についてご紹介します。第三者に依頼する以上一定の費用は必要なので、売却のための必要経費と思って支出されることをお勧めします。

 

専門家に依頼する

 

ホームインスペクションは民間資格を有する人が行う
  • NPO法人日本ホームインスペクターズ協会公認ホームインスペクター
  • 日本建築士会インスペクター
  • 既存住宅状況調査技術者

など

 

また、主に木造建築を取り扱う国家資格「二級建築士」が行うことも多いようですが、明確に「ホームインスペクション診断士」のような専業資格があるわけではありません。

 

これらの専門家は、主に目視で住宅の状態を診断しますが、以下の敷材を使って分析に必要な数値を集めることもあります。

 

建物調査で使用される機材には様々な種類がありますが、サーモグラフィーやファイバースコープなどの特殊な機材、高額な機材を使用すれば調査費用も高額になってしまいます。

 

ホームインスペクションは、調査費用を抑えるために主に目視で調査・診断を実施しますが、よりわかりやすく正確な診断をおこなうために、補助的に機材を使用します。

 

その代表的なものは、次の様なものです。

 

  • レーザーレベル…建物の傾きや床の水平の度合いを確認します。
  • 水平器…床や柱の傾斜、排水管の勾配などを確認します。
  • クラックスケール…外壁やコンクリートのひび割れ幅を計測します。
  • 鉄筋探知機…基礎に鉄筋が入っているかどうかを確認します。
  • 点検鏡…壁の下側やドアの上部などの見えにくい部分、奥深い位置の状況を確認するために使います。

 

これらの敷材を使って、もともとの住宅図面を確認しながら「図面の数値と実際測定値が異なる」などの状況を分析し、診断書として取りまとめます。

 

住宅の面積や設備によって費用は変わる

 

ホームインスペクションは、住宅の面積や設備によって費用が変わります。

 

2階建て・3LDK程度の住宅の場合は9万円〜14万円程度で行うことができますが、あくまでこの料金は「住居の表の部分だけを見た場合」の金額です。

 

例えば床下や屋根裏など「住居の裏の部分」を見る場合にはさらに10万円程度費用が必要になりますし、人が入れない部分をファイバーカメラなどの専門機材を用いて調査した場合には機材代も加算されることになります。

 

また、これらの調査にかける時間によっては当然人件費もその分かかりますから、さらに人件費がかさむ場合もあります。

 

専門機材を使う場合には当然別の人が従事して測定などを行うことになるので、ますます人件費がかさんでしまいます。

 

ですから、費用を少しでも抑えたい場合は「その機材は使わないで欲しい」とか「人数は1人にしてほしい」などと依頼する前に伝えておく必要があります。

 

その他、ホームインスペクションの費用については、以下のホームページにも詳しく掲載されていますので参考にご覧ください。

 

住宅診断(ホームインスペクション)の料金・費用(住宅診断のススメ)

https://www.houseshindan.biz/more/kakaku.html

 

耐震診断に係る費用については以下のホームページも参考にしてください。

 

一般社団法人日本耐震診断協会

http://www.taishin-jsda.jp/price.html

 

自分で行うことは不可能

 

ホームインスペクションは、第三者に空き家の状態を証明してもらうという観点がある以上、全部を自分で行っても意味がありません。

 

少しでも費用を節約したい場合には、ホームインスペクションの作業員として自分を使ってもらうことでその分の人件費を抑制することぐらいしかできません。

 

また、空き家の売却を仲介してくれる不動産業者にホームインスペクションを依頼する場合は、将来的な売却(=仲介手数料)を視野にホームインスペクションの費用を多少なりとも減額してもらうことは可能です。

 

不動産業者も最近は物件を取り扱うために良質な物件を手に入れたい思惑がありますから、ホームインスペクションを行うことやその費用を多少勉強することは嫌な顔をしないでしょう。

空き家売却後のよくある4つのトラブル

建物の破損や不備

空き家を購入する人は、当然ですが「そこに住みたい」とか「そこを貸して誰かを住まわせたい」から購入する場合が多いです。

 

ですから、売却後に水道や電気の不備などインフラに関する破損や不備があった場合は「だまされた」と買い主が怒ってきても仕方がないのです。

 

購入前にはお互いに空き家の隅々までを確認し、ある程度不備がある場合はそれを申告し、理解したうえで売買契約を結ぶことが必要不可欠です。

 

あるいは、売却前にインフラの破損や不備を修理してから売却するのも方法の1つです。修理費はもちろんかかりますが、修理費相当分を売却価格に上乗せしておけば自分が損をすることはありません。

 

特に最近ではリフォーム済み物件の人気が高い傾向にあるので、ある程度需要が見込める立地条件にある空き家はリフォームを視野に入れてもよいかもしれません。

 

関連記事:期間限定で空き家を賃貸物件にすることは出来る?空き家を貸し出す前に知っておくべきこと

残置物

空き家の状態によっては家財道具や植木などがそのまま残されている場合もあります。

 

これも売却前に相互に確認したうえで、必要があれば撤去や処分を行ったうえで売買契約を締結しないとトラブルのもとになります。

 

なお、家財道具類は買い主がそのまま使いたい意向を示す場合もありますから、実際に家財道具類を見てもらって判断すればよいでしょう。

 

こちらとしては処分費が節約でき、あえて処分しようとすればさらに費用を持ち出さなくてはならないことが多いので、買い主が無料で引き取ってくれるのであればぜひ譲ってあげましょう。

 

ただし、不要な家財道具や手入れが面倒な植木、ただの粗大ごみは撤去してから売買するのが基本です。場合によっては「現状渡し」にする分、売買価格を値下げしておいて「後は買い主にお任せ」とする方法もあります。

 

いずれにせよ、買い主との話し合いの中でお互いに最も手間のかからない方法を選ぶのがよいでしょう。

 

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関連記事:空き家売却における現状渡しのメリットとデメリット

近所の住民との関係

購入した空き家に、数か月だけ暮らしてすぐに出て行ってしまう人も最近多いです。

 

なぜなら、周辺の人々との人間関係がうまくいかなくて住みづらくなったために引っ越してしまうケースがあるからです。

 

空き家の持ち主や管理者であるあなたには、買い主が近所とどう付き合おうが関係はないのですが、中には「こんな地域だと聞いていたら購入しなかった」と八つ当たりのようにふるまう買い主もいるのです。

 

この手のトラブルを回避するには、町内会などのしきたりや地元の行事、ごみステーションの管理方法など日常生活で欠かせない常識について前もって説明しておくことです。ここまでしておけばあなたの立場上は十分な配慮をしていることになります。

 

売り主がそこまでするか?と思うかもしれませんが、あなたが本当に空き家を売り払いたいならば、それくらいの手間はかけた方が売れるチャンスは格段に増えます。

契約上のトラブル

契約書は売却に際して様々な取り決めをしている法律的にも重要な書面ですが、あらゆるケースを想定して作られているとはいえ、どうしてもすべての事象をフォローしきれているものではありません。

 

ですので、一般的な契約書の末文には「定めのない事項は甲乙協議の上決定する」など、契約書の定めにないことが起きたらまずは話し合いをすることを明記しています。

 

この「定めのない事項」をどのように捉えるかによって、契約上のトラブルが発生する可能性もあります。

 

中には、一方的に納得できないことがあると宣言して、分割払いにしている購入費の支払いを拒否する買い主もいるぐらいです。そんな時に買い主が主張するのが「定めのない事項は甲乙協議の上決定する」と言う文言です。

 

最近では契約書に裁判所の規定を明記することも増えています。例えば「本契約に関する一切の紛争については、甲の本店所在地を管轄する地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする」などと契約書に記載し、トラブルが生じた場合は裁判所の判断を仰ぐことをもとから定めておく方法です。

 

契約書はかなり重要な部分ですので、弁護士や司法書士に相談してから作成してもよいかもしれません。

まとめ

空き家は、ただ売ればそれで済みではありません。

 

これは私の友人が実際に巻き込まれた事例ですが、友人が持っていた空き家を春先に売却したものの、その年の冬に水道管が破裂して「欠陥住宅だ!」とトラブルになったのです。

 

確かに、冬でもなければ水道管の凍結トラブルは見つかりませんし、漏水でもしていない限り水道管のトラブルは予測できません。

 

空き家を持つ身としては、ホームインスペクションを行うことで売却や賃貸のチャンスがアップするならば多少の費用は必要不可欠とも思えます。第三者が空き家の状況や価値について立証してくれることこそ、ホームインスペクションが持つ一番のメリットです。

 

空き家を管理する身としても周辺住民とのトラブルを回避するなどの効果があるので、ホームインスペクションはできるのであれば早めに行っておきたいですね。

 

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