空き家の相続放棄のメリット・デメリット・注意点まとめ

空き家の相続放棄のメリット・デメリット・注意点まとめ

相続放棄

 

両親が亡くなった時には、両親が暮らしていた実家を手に入れることができる半面、当面人が住むことのない空き家の管理もセットでついてくるので、管理のことを考えると空き家なんかいらないと思う方もいるでしょう。

 

特に資産価値がない場合はなおさらです。

 

親からの財産をもらわないようにするには「相続放棄」と言う方法があります。

 

親から一切の財産を受け取らないことを申し出るのが相続放棄ですが、実際に空き家の管理をしたくないために相続放棄をする選択肢を選ぶ人もいます。

 

このページでは、空き家の相続放棄をした時のメリットやデメリット、気をつけておきたい注意点などについて詳しくご紹介します。

 

 

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空き家の相続放棄は他の財産も放棄しなければいけない

多くの場合、空き家の管理は手間と時間とお金がかかってしまうものです。

 

それらの負担から逃れたい場合は、相続放棄をすれば「財産は不要です」と宣言したことになり空き家をもらう権利もなくなり、相続人が決まれば空き家の管理をする義務はなくなります。

 

しかし、相続放棄は「すべての財産」に対して放棄する意味があるので、空き家だけではなく両親が保有していた有価証券や現金、それに貴金属や美術品に至るまで様々な財産を受け取る権利のすべてを放棄することになります。

 

あなた自身が「あの自動車は私がもらう」といくら主張しても、財産放棄をしてしまった後ではもらう権利もありませんし、特定の財産だけを分けて財産放棄することもできません。

 

もし空き家の管理だけが嫌な場合、財産放棄をするのは少し考えてからでも遅くありません。実際、相続でもらえる財産と天秤に掛けても問題はありません。

【相続放棄のメリット】被相続人の借金支払いを拒否できる

相続放棄には、親などの被相続人に借金があった場合にその支払いを拒否することができたり、遠縁にあたる人の財産を受け取りたくない場合に権利を放棄することができるメリットがあります。

 

例えば空き家となった住宅のローンが残っている場合は、空き家を相続した人間が残った住宅ローン(債権)を支払う義務までセットで引き受けることになるので、債権を引き受けるぐらいなら空き家を受け取らないために相続放棄をする選択肢も当然ありえます。

 

相続人が相続放棄をすれば、財産を受け取る権利だけではなく借金を支払う権利もなくなるので、財産の一部である「空き家」も受け取る権利を放棄することになります。

【相続放棄のデメリット】特定の財産だけを相続することはできない

デメリットとしては、相続放棄は「すべての財産や借金」が対象になるので、例えば「空き家はいらないが有価証券はもらいたい」などのように、財産を選り好みして相続することはできない仕組みである点です。

 

もし特定の財産を受け取りたい場合は相続放棄をせず、他の相続人と協議して財産や借金の分配を決める時に話し合いをしたうえで希望する財産を手に入れる結論を出さなければなりません。

【注意点1】相続放棄をすると、相続権は順番に身内に降りてくる

相続放棄をしてしまえば、原則として相続人は被相続人の有する一切の権利や義務を相続しないことになるので、財産の一部である空き家の管理に一切責任を負わなくなり、その管理を相続人に任せることができます。

 

空き家の管理は誰しもあまり関わりたくないものですから、あなた以外の兄妹も相続を放棄した結果、空き家を相続する者が居なくなってしまう場合もあります。

 

相続に関しては「民法」で定められています。民法では、相続人の全員が相続放棄をすると相続権がさらに次の人に移ることになります。

 

具体的には次のような順番で相続権が移っていきます。ここでの例示では亡くなった人を「両親」と仮定しています。

 

相続権の順序
  1. 子ども
  2. 子どもの配偶者
  3. 亡くなった両親の父母
  4. 亡くなった両親の祖父母
  5. 亡くなった両親の兄弟

 

ここまでたどっていけば、誰かが必ず相続人として挙がってくるのですが、これらの人々全員が相続放棄をすることだってあり得ますし、既に亡くなっている場合も多いです。

【注意点2】相続人が誰もいなくなった場合は相続財産管理人が財産を処分する

もし相続人が誰もいなくなってしまった場合、相続財産は家庭裁判所が選んだ相続財産管理人が処分することになります。

 

相続財産管理人は民法第951条と第952条に定められている役割で、選ばれた場合は相続財産を処分する権限を与えられ、最終的に残った空き家は国の持ち物になります。法律用語では国の持ち物になることを『国庫に帰属する』と表現されてます。

 

民法239条第2項【所有者のない不動産は、国庫に帰属する。】

 

ただし、相続財産管理人を選ぶ手続きは被相続人にお金を貸している債権者か相続人かいずれかが請求しないと手続きに入れないので、何も手続きをしないままに国が勝手に管理人を選ぶことはありません。

 

また、相続財産管理人を選任した時には費用が発生します。相続財産管理人は弁護士が選任されることが多いので、当然報酬を支払うことになります。

 

この時の報酬は管理している相続財産から支払われることになりますが、足りなければ申立人が支払うことになり余分な負担が生じます。

 

この時、残された相続財産から報酬を支払えるならば良いのですが、それが難しい場合は財産の管理に必要な経費として「予納金」を求められる場合があります。

 

予納金の金額は財産の総額によりますが最低20万円、最高でも100万円ほどが相場のようです。

 

相続財産管理人の選任や必要な費用などは以下のホームページに詳しく紹介されていますのでご確認ください。

 

相続財産管理人報酬の相場や申し立ての流れ(相続弁護士ナビ)
https://souzoku-pro.info/columns/64/

【注意点3】相続放棄しても相続人が決まるまでは空き家管理の義務は残る

相続放棄は話し合ってすぐ結論が出るようなものではありません。関係する子どもたちが集まって話し合いをしなくてはなりません。

 

世間では「相続でもめる」などの話を聞くように、それぞれの思いがあって結論が出ないまま時間だけが経ってしまうこともしばしばあります。

 

そうこうしている間にも空き家は放置されて草は伸びるし雨漏りはするしと、結果的に空き家の管理が行き届かない状態になってしまうことも考えられます。

 

自分が相続放棄をしていれば「もう関係ない」と空き家の管理を放棄することができるように思えますが、民法には以下のような規定があります。

 

民法第940条第1項【相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となったものが相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない

 

この条文は「相続人が決まるまで」や「相続財産管理人が決まるまでの間」は、いくら相続放棄をしていたとしてもかつて相続人であった者が財産の管理責任があることを表しています。

 

空き家の相続が決まるまで管理責任がある

 

つまり、相続人などを早く決めない限りは、相続放棄をしたあなたに「決まるまではあなたが空き家の管理をしなさい」と法律で命じられている状態と言えます。

 

空き家の管理を放置しておいた場合、管理不十分なことが原因で生じた事故(水漏れや悪臭、庭木の倒木など)があった場合、相続人が決まっていない限りは元相続人であったあなたに管理の過失が問われ、場合によっては損害賠償請求を受けることになりかねないのです。

 

もちろん、相続人が複数人いる場合はそれぞれに責任がかかってきますから、そこでもめているぐらいなら相続人などを決めることに全力を注ぐべきでしょう。

 

空き家は管理不十分になって周辺の環境に悪影響を及ぼすようなことになれば自治体から「特定空き家」に指定されて、罰金を科せられたりすることもありますので、自分たちの相続の都合ばかりを考えず、空き家の周辺の環境にも十分配慮しながら話し合いを進めて結論を出しましょう。

【注意点4】安値でもいいから早めに空き家を売り払った方が良いケースもある

相続財産管理人は相続財産の清算が終わると、残った財産を国に引き渡します。

 

この場合の「清算」とは、現金や預金口座を調べたり金品を売却したりして、実際にどれだけの資産があるかを確認して集計することと言います。

 

国は、相続財産管理人からの申し出により現金化できる財産については現金にするなどして清算された財産を国の収入として充当します。

 

ただし不動産の場合は国も積極的に売却して現金化するようなことはしませんし、国がその不動産をそのまま保有して維持管理しようともしません。

 

むしろ、相続財産管理人が国に対して「売れないのでこの土地を受け取ってください」と申し出ても、市中で売れ残ってしまうような空き家などの不動産は国だって欲しくはありません。

 

国自身も使い道のない空き家を所有したからと言って、その管理を任されてしまうようでは支出が増えるだけで何のメリットもないのですから。

 

こうして空き家の清算だけが進まないと相続財産管理人の業務はいつまでも終了しないので、その分報酬だけを支払いし続けることになります。

 

実際、安値でもいいから空き家を売り払っていた方が、報酬を支払い続けるよりもお金が残る場合も全然ありえます。

 

ただ空き家の管理をしたくないからと安易に相続放棄をして相続財産管理人に任せきりにするのではなく、自身が売却した場合に得られる収入と天秤にかけて考えてみましょう。

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空き家管理をする子ども世帯からは「両親が亡くなったら実家をどうしたらいいか・・・」、親世代からは「私たちがいなくなったらこの家をどうするか・・・」という悩みを聞くことがあります。

 

年々空き家は増えている原状ですが、相続にかかわる問題は自分たちだけで解決できるほど簡単ではありません。相続人が複数いたり、相続人がわからないということも多いものです。

 

また、相続手続きを得意としている士業の方もいれば、不動産売却となるとあまり詳しくないという方もおり、複数の相談先を探すということになってしまいます。そのため、自分の忙しい時間を調整して複数の相談先へ出向く必要がありました。

 

 

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相続手続きとなると、様々な書類が必要となり、自力でやるにはあまりに複雑すぎます。また、手続きをミスをして税申告を行うと追徴金が発生する恐れもあり、知識がない人がやるにはリスクがあるのでおすすめできません。

 

ということで、「相続手続き代行サービス」にお願いする方が増えています。

 

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まとめ

相続財産管理人が管理を開始するまでは、空き家の管理義務は相続放棄をしたとしても、あなたに残ることは十分にあります。

 

相続について話し合いをしている最中にも空き家に関係するトラブルは十分に起こりえます。

 

もし周辺の住民とトラブルが生じたり、損害賠償を要する事故が起きてしまったら、相続放棄をしていようとも責任を負わなければならないのです。

 

現実的にあなたが遠方に住んでいるなど思ったような空き家の管理ができない時は「相続財産管理人が管理を開始するまで」と割り切って、自身で汗を流して管理をするか、専門業者に依頼して空き家管理を行ってもらうことも考えましょう。

 

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