最近は気候の変化が急激に見受けられる状況下にあります。今までは信じられないほどの大雨や豪雪による被害が日本各地で発生しています。
実際、平成30年2月に北陸3県で発生した豪雪は1日あたり80cm~100cmの積雪があり、空き家を倒壊させる被害をもたらしています。
特に積雪は空き家のバルコニーや屋根などを破損させるだけでなく、空き家そのものを居住できない状態にすることもあります。空き家が積雪による被害を受けないよう、これから解説することを実践して準備しておくことをおすすめします。
まず、空き家がどの程度の雪の重みに耐えるのかを把握する必要があります。
空き家の耐久性を左右するのは屋根だけではなく、屋根やその他の構造物を支える柱などの「構造体」も影響します。屋根が無事だから大丈夫、ではなく空き家全体の様々な部分を確認して耐久度を把握する必要があります。
具体的には以下の3つの方法で耐久度を把握されることをお勧めします。
屋根の上に登り、破損している個所がないかどうか確認することは素人でもできないわけではありません。瓦の場合は瓦のずれや傾き、破損、ひび割れを目視で確認します。スレートや鋼板の場合はひび割れや傾きを目視で確認します。
また、室内から雨漏りの有無を確認すればその真上に当たる部分の屋根の異常を予測することも可能です。
注意したいのは高所での作業です。屋根から転落すると大けがする可能性が高いので、できることなら避けて欲しいものです。
もしあなたや友人がカメラ付きドローンを持っている場合は、屋根の状況を登ることなく撮影して確認することができるのでこれなら安全です。
点検費用 | 2階建て・3LDK程度の住宅なら10万円程度 |
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屋根の状況は屋根を専門に扱っている瓦業者やリフォーム業者などに点検してもらえば把握することができます。
屋根と言っても瓦や鋼板など様々な材質で作られていますが、まずは目視で確認して破損が生じていないかを確かめます。一部分でも何らかの不具合があれば、そこに雪の重みによる負荷がかかった時に屋根部分の倒壊などの危険性が高まります。
業者によっては無料で点検してくれる業者もいますが、後でリフォームなどを進められて断りづらくなるぐらいなら有料で点検してもらった方がいいでしょう。
「やねまる」は火災保険を最大限活用するので、負担を最小限に住宅の修繕などをしてもらえます。大雪や大雨・台風が心配という方は、一度プロの目でチェックしてもらうと安心です。
点検費用 | 2階建て・3LDK程度の住宅なら9万円~14万円程度 |
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ホームインスペクションとは、空き家などの中古住宅を第三者が客観的に診断して建物の状況や品質を出来る範囲で明らかにして、診断に対して証明書などを発行する行為のことです。
ホームインスペクションは建築士など専門的な資格を持った者が行うこととされており、住宅の面積や設備によってかかる費用が変わります。
例えば2階建て・3LDK程度の住宅の場合は9万円~14万円程度で行うことができますが、これは屋根や壁など目の見える部分のみでの診断費用です。
床下や屋根裏など「住居の裏の部分」を見る場合にはさらに10万円程度費用が必要になるため、最大で25万円程度の費用がかかると考えておく方が良いでしょう。
積雪による倒壊のリスクを軽減するには、様々な方法があります。
空き家の管理上、自分で空き家に駆けつけることができる人と、できない人では対策が変わってきます。遠方に住んでいる場合は、業者等に頼んででも何らかの対策を講じておかなければなりません。
具体的には次に紹介する3つの方法を検討してみてください。
屋根や柱などの構造体をリフォームにより耐久性を高める方法です。
屋根は瓦ではなく湿度や水分に強いスレート鋼板に葺き替えたり、融雪設備を付加することも検討の余地がありますが、あくまで将来的に空き家に誰かが再び住む場合の対策です。
当面誰も住む予定が無い場合はリフォームではなく耐久性を維持するために破損している箇所を必要最低限の費用で修繕する程度で問題はありません。
積雪で空き家が倒壊するのを防ぐには、負荷になる前に雪下ろしをすることです。
雪下ろしは住人が自分の手で行うのが一般的ですが、昨今は有料で雪下ろしを請け負ってくれる業者もあります。一般的に雪下ろしは冬の間屋外作業が減少する工事業者が冬の間の仕事として請け負っている場合が多いです。
また便利屋も時間単位で請け負ってくれます。金額は業者ごとにまちまちですが、1時間1名で3,000円~5,000円程度の金額で請け負ってくれるケースが多いようです。
既に建物の耐久性が失われていたり、今後居住する予定がない場合は空き家を解体してしまっても問題はありません。
例えば木造建築の解体費用相場は1坪当たり25,000円~40,000円程度、鉄骨建築の解体費用相場は1坪当たり30,000円~50,000円程度が一般的です。
3LDKの家屋であれば100万円~150万円程度の費用で解体することができるので、毎年雪下ろしのためにお金を支払うのと解体してしまうのとどちらの負担が少ないかを考えてもいいでしょう。
また最近は自治体によって空き家の解体に補助金が出る場合もあります。詳しくは「空き家解体の補助金制度と対象となる条件は?」「30、40,50坪の解体の費用は?」をご覧ください。
もし積雪で空き家が潰れた場合、火災保険の特約に加入していれば一定額の補償が受けられる場合があります。
特に豪雪地帯にある空き家の場合は火災保険の特約に加入しておくと安心ですが、実際に起きた事象によって支払われる保険金が変わってくることはあらかじめ知っておきましょう。
火災保険は火災だけではなく風水害で家屋が受けた被害も補償されます。水害や竜巻、そして積雪による被害も「雪害」として保障されます。
具体的には以下のようなケースの場合、雪害として補償対象になりえます。
この時、雪害によって壊れたことを確認されることもあるので、平常時に空き家の状況を記録するために写真を撮っておくことをお勧めします。
『火災保険の教科書』は、面倒な申請から見積もりまでサポートしてくれます。6,000件以上の保険を受領した実績があり、精度の高い査定がとても評判です。
日本全国対応可能。現地調査・見積もりは無料。
大雪・豪雪・雪崩などの雪害で屋根・外壁・雨戸やエアコンなど損傷があるような場合は『火災保険の教科書』へ相談することをおすすめします。
火災保険は「自分の管理する建物を自分で守る」ことがメインの保険のため、隣家など他人の財産に与えた損害を補償する仕組みになっていません。
ただし、あなたが空き家の管理を怠っていた場合、個人賠償責任を問われた時に「個人賠償責任保険」特約を付けていれば、相手に対して賠償金が支払うことも可能です。
ここで言う管理を怠るとは、雪下ろしが不十分であったり危険な状態にあったにもかかわらず放置することなどです。
空き家に積雪が生じた場合、リアルタイムに積雪の様子が分からない場合は空き家の一部に被害が及ぶ可能性が捨てきれません。
豪雪の場合、降り積もる雪が空き家の負荷にならないように雪下ろしができるかどうかが重要です。
また、空き家そのものの耐久性を確保しておくことも重要ですが、使用する用途の無い空き家を修理してまで使う人もいないでしょうから、せめて隣接する民家に迷惑を掛けない程度の管理や補修は行いましょう。
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