親が亡くなったりして、急に空き家の管理が必要になった場合、インフラの維持管理をどうするべきかの決断を迫られます。
ガスは契約を継続しとくべきなのか、解約すべきなのか、急に空き家を管理することになってしまった多くの人にとって、早急には答えが出ない問題です。
今回は、空き家のガスの契約について、その継続についてさまざまな視野で確認してみます。
空き家のガス供給契約を維持しておくかどうか頭が痛い問題です。正直「どれくらいの費用が必要なのか」によって、供給契約の維持を検討する人も多いでしょう。
また、契約の内容によって空き家のガス代も変わってくることがあります。実際空き家のガス代はどの程度必要なのでしょうか。
空き家のガス料金は、その家に装備している機器が、ガスを用いるものかどうかと、どれくらいのガスを消費するのかによって、従量料金が大きく変わってきます。
例えば、36坪、4LDKの洋風住宅で、ガス温水器とプロパンガスを装備している場合、1ヶ月間まったくガスを使わなかった場合のガス料金は、月額1,700円程度ですみます。
この金額は、ガス契約で言う「基本料金」だけの金額になります。
これに、従量料金である1立方メートルあたり500円を加えると、1晩泊りがけで空き家の管理をした時のガス料金が導き出せます。
都市ガスの場合は、1ヶ月間まったくガスを使わなかった場合は、基本料金が1,500円程度、これに従量料金である1立方メートルあたり300円を加えると、1晩泊りがけで空き家の管理をした時のガス料金が導き出せます。
なお、最近の住宅はオール電化住宅もあれば、温水器は電気、調理はガスなど、装備して機器が異なりますから、詳しく確認したい場合は、それぞれの機器のガス消費量を確認してみましょう。
プロパンガスの場合は基本料金と従量料金が若干高いと思ってよいでしょう。
プロパンガスの基本料金は、各地域によって多少差異がありますが、全国的な平均値は、平成30年3月の時点では1,600円~1,700円程度になっています。
一方、従量料金は全国的な平均値で見ると、1立方メートルあたり450円~500円程度になります。
ただし、ガスの使用量は夏と冬では大きく違いますし、「ガスヒーポン」などのガス冷暖房システムを導入している家では大きく異なりますから、気になる場合はガス供給会社に確認をとっておきましょう。
そもそもプロパンガスは、供給会社からボンベを備え付けてもらい、使った分だけの「従量料金」と、機器などの維持管理や点検費用が含まれている「基本料金」が請求されます。
プロパンガスをまったく使っていなくても、基本料金は必ず請求されることになります。
プロパンガスを契約している場合、空き家に1泊して入浴をして、ガスで調理をしたような場合で考えたら、1泊2日で使うガスの量は0.5立方メートル程度です。
これを基礎にして、空き家のガス料金を仮に計算するならば、月1回1泊2日の泊まり込みで空き家の維持管理をした場合、
1,700円+従量料金500円×0.5円=1,950円程度
もちろん、頻繁に帰省するような場合は、ガス使用量が増えますから、従量料金がかさむことになりますが、それが分かっている場合にはボンベごとガスを買い取っておくことで、支出を抑えることも可能です。
都市ガスの基本料金はプロパンガスより若干安価な場合もあります。
一方、都市ガスの基本料金は、プロパンガスと同様に各地域によって多少差異があります。全国的な平均値は、平成30年3月の時点では900円~1,000円程度になっています。
一方、従量料金は全国的な平均値で見ると、1立方メートルあたり250円~300円程度になり、プロパンガスと比べると全体的に安価です。
なぜなら、プロパンガスの場合はボンベを維持管理する費用や、ボンベを運搬してもらう費用などが基本料金や従量料金に加味されてしまうからです。
もちろん、ガスの使用量は夏と冬では大きく違うことと、「ガスヒーポン」などのガス冷暖房システムを導入している家では、ガスの消費量は大きく異なるので要注意です。
一方、同じように1泊2日で使うガスの量を0.5平方メートルとした場合、都市ガスにおける空き家のガス料金を計算してみましょう。
基本料金1,000円+従量料金300円×0.5円=1,150円程度
都市ガスの場合は、プロパンガスのようにボンベを買い取ることが出来ないのですが、必要に応じて休止と開栓を繰り返すことで、必要最低限の期間だけ都市ガスを利用できるようにすることも可能です。
最近の住宅にはガスを使った冷暖房システム「ガスヒーポン」を導入している家もありますが、このシステムを使っている時のガス使用量は、冷暖房の使用量に応じて大きく変わりますし、地域によっても冷暖房の使用頻度が変わってきます。
ですから、コストを計算したい場合は、ガス供給会社に確認して平均的な使用量を教えてもらいましょう。そうすることで、空き家でガス供給契約を維持した場合のコストも詳しく計算できます。
また、ガスヒーポンのシステムがどれくらいの冷暖房能力を持っているかで、ガス使用量も変わってきますから、機器のスペックも合わせて確認しておきましょう。
空き家管理にガスはあまり必要ではないので、解約する方が多いようです。
水道や電気の場合は、掃除や機器の運転のために契約を維持しておく必要がありますが、ガスは代わりのアイテムを使えば空き家の維持管理は十分対応可能だからです。
実際、空き家の維持管理とガスとはどのような関係があるでしょうか。
空き家を管理するとき、ガスを使うタイミングがあるとすれば、泊りがけで空き家の掃除をする場合や、空き家にいる時にどうしてもお湯を沸かす必要がある場合、それに、空き家で調理をするような場合が考えられます。
それらのようなケースがあり得るならば、ガス契約を維持しておいたり、一時的に都市ガスの開栓をしてもらうことで対応は可能です。
でも、そのようなケースが無いのであれば、無理にガスの契約を維持しておくようなことは必要ありません。お湯が欲しければ電気ポットで沸かせばいいのですし、調理をしなくても手弁当持参で掃除に来ればよいだけです。
ガス供給契約を維持しておくと、それだけで基本料金が必要になります。ですので、その費用を別の維持管理費用に使った方が空き家の管理も楽にできるかもしれません。
空き家のガス料金を仮に計算してみると、月1回1泊2日の泊まり込みで空き家の維持管理をした場合、
基本料金1,700円+従量料金500円×0.5円=1,950円程度
ですが、これだけの費用があればハウスクリーニングを業者に依頼出来ますから、なおさらです。
実際、空き家の維持管理上、ガスが必要な場合は少ないと思いますが、それぞれの空き家の維持管理方針によって、その判断は変わって来ると思いますので、この章で取り上げている要素を特に確認してから判断してください。
もし、空き家の管理を行うために、温水が必要な場合や、時に泊まりがけなどで空き家に宿泊するような場合は、ガスの契約を維持しておく方がいいでしょう。
その場合、基本料金と従量料金を払う程度の負担で済みます。1泊宿泊した時のガス使用量は、入浴と調理に使ったことを見越しても、多くて0.5立方メートル程度ですので、そんなに負担にはなりません。
それに、プロパンガスの場合は、ボンベごと買い取る方式もあります。1年間ガスを使う量が分かっている場合は、その分料分ボンベごとガスを買い取っておけば、基本料金だけを支払うこともできます。
ただし、ボンベやプロパンガスには有効期限がありますので、期限切れにならないように注意をしておきましょう。
もし契約をそのまま継続する場合、少しでも安くしたい場合はこちらの見積もりサイトでガス会社を切り替えることで料金が安くなるかもしれません。
空き家の管理をしていて、必要がないと判断したらガス供給契約を休止または廃止しても問題ありません。
もし、月に何回か帰省したりして、調理をしたり、他にも何かしらガスを使うかもしれないのであれば、とりあえず契約は継続しておいて、1,2ヶ月経っても全然使わないようであれば廃止した方が良いでしょう。
ただ、ガスの契約をやめることにあたっては、留意しておくべきこともいくつかありますので、その辺を考慮して判断することをおすすめします。
ガス供給契約を廃止すると、ガス供給会社が「自らの管理範囲」までの配管を撤去することになります。
例えば、プロパンガスの場合はガスボンベとメーターを、都市ガスの場合はメーターまでの部分が「会社の管理範囲」となります。
ガスメーターが無いと、再びガスを供給してもらう時に工事も必要となるし、なにより工事費用をこちらで負担しなくてはなりませんから、費用負担の面で言えばデメリットが生じることになります。
ですが、ガス供給会社にも都合があります。もし、ガスが原因となって空き家で火災が起きた場合、メーターなど自社の機器を設置したままにしていれば、自分たちの会社に火災の原因が降りかかってきますから、それは避けたいのです。
いずれにせよ、空き家になっている期間、空き家になっている家に再び人が住む可能性があるのか、それらを考慮して最終的にガス供給契約の有無を判断しても問題ではありません。
時間はかかりますが、ガス供給は工事さえすれば再開することは可能ですから、その点は安心して下さいね。
空き家になり、長い期間使用していないガス管は、乾燥や硬化により、ガス管そのものがひび割れしたり、劣化の結果破損しやすい状態になってしまいます。
また、管自体に異常が見られなくても、ガス供給を再開すると、機器の誤動作やガス漏れを起こしやすくなります。
特にガス漏れは、何らかの火気が使用されている状態で発生すると、ガス爆発の原因になってしまいますし、
都市ガスの場合は事故防止のために空き家以外の周辺住居へのガス供給もエリア単位で止められてしまうので、多くの人々に迷惑をかけることになります。
更に、ガス管だけではなくガス供給にトラブルが生じた場合、自動的にガスの供給をシャットダウンする安全弁や安全弁に付随するメーター類も使用していなければ当然劣化し、正常に作動しないリスクがあります。
特に安全弁やメーターは、法律で4年1回の検査が義務付けられていますから、ガス供給の契約をしていなければ、ガス供給会社が行ってくれる検査を行えず、法律で安全を担保されない状態になってしまうことも覚えておいてください。
空き家のガス供給契約は、実際に休止や解約をする時には、もう一度見直した方がいい場合もあります。
特にプロパンガスの場合、その家にガスを配管する時の工事費を、プロパンガスを供給するガス会社が負担していることがあります。
と言うのも、会社としては自分のところでガスを買ってもらいたいので、使ってくれるなら配管工事費は面倒を見ますよ、と言う破格の契約をしているケースが多いのです。
この「工事費を負担する代わりにガス供給します」と言うのがポイントでそんな約束をしていることを忘れてしまっていることも多いので、
いざ解約をしようとすると「解約時には機器や配管を買い取りしてもらうことになっています」などと、使っている側が気付かないような請求をされることもあるのです。
また、空き家になって後、再び誰かが住むにあたってガス供給契約を再開しようとした際、前の会社とは別の会社とガス供給契約を結んだりプロパンガスを都市ガスに切り替えたりすれば、
これも「工事費を負担している代わり」があるのだからと、違約金を請求されたり、既存の配管相当分の費用を請求されることもあるのです。
空き家にかかるガス供給契約を解約することは問題ありませんが、今のガス供給会社との契約内容は、あらかじめ確認しておく方がよいでしょう。
ガスの供給契約を未締結の場合や、ガスを休止している場合でも、ガス管の安全性は確認する必要があります。ガス管やメーター、安全装置などは「ガス設備定期保安点検」という名目で、4年に1回行うことになっています。
この「ガス設備定期保安点検」は、ガス機器業者やガス供給会社が行いますが、ガス会社と供給契約を結んでいる場合は、無料で点検を行ってくれます。
もし、供給契約を廃止または休止している場合は、有料で点検を行うことになります。
費用は、1回の点検で5,000円~6,000円程度支払う必要がありますが、ガス事故は発生すると周辺の住民にも迷惑をかけてしまうので、必要な負担と思って支出することをお勧めします。
空き家を取り壊すことが分かっている場合はガス契約は解約するべきです。これは、都市ガスでもプロパンガスでも同様です。
ガスは危険なものですから、取り壊し工事をしている時に火気が影響すると当然ガス爆発を起こすなどの危険性が増します。
危険を少しでも回避しながら、安全に空き家の解体をすることを第一に考えるのが空き家の管理者の務めと心得ましょう。
まず、プロパンガスの場合は、解体を開始するまでに、ガスボンベや必要機器をガス供給会社に引き取ってもらいましょう。
あと、ガス供給に際して電話回線を接続して遠隔監視システムを導入している場合もありますから、その場合は電話契約も解除するようにしましょう。
ちなみにプロパンガスの場合、基本料金は日割り計算で精算できます。
従量料金は使った分だけ計算してもらえるので、ガスボンベに残ったガスを確認してもらって後日ガス料金を請求されることになりますので、あらかじめ支払いがあることを覚えておきましょう。
忘れないで欲しいのは、解体を始める1週間前までには契約の解除を申し出ておきましょう。
ガス供給会社が撤去の手配をするために時間が必要なためです。
特に、引っ越しのシーズンには会社の人手も不足気味になるの、2週間前には申し出ておかないと自分の都合のいい日に機器の撤去をしてもらえないこともあります。
都市ガスの場合もプロパンガスと同様で、解体を始める1週間前までには契約の解除を申し出ておきましょう。特に、引っ越しのシーズンには会社の人手も不足気味になります。
特に都市ガスは「都市ガス」の名前が表すように、市街地に供給していることが多いですから、その分顧客数も多いので、解体の予定が分かり次第、契約の解除を連絡し、機器の撤去を依頼しておく方が賢明です。
都市ガスの場合は、現地でメーターなどの撤去を行い、埋設されている配管の安全を確保するために、工事によって配管が破損されないように必要な措置を行うことになります。
具体的には、地下に埋設されている配管の存在を示すタグを設置したり、解体時に支障となる配管そのものを撤去するなどの場合があります。
いずれにせよ、当日現場でどのように処置をするかを判断することが多いので、依頼主である空き家の管理人は、必ず当日の現場に立ち会う必要があります。
前もって自分の都合を調整して、出来る限り早く解約の申し出をしておきましょう。
空き家の解体は、重機を使って建物を外側から解体していくのが一般的です。
この時、重機が敷地内に入っていけば、地下に大きな荷重がかかりますから、地下に埋設されているガス管が破損することも十分にあり得ます。
ガス管が破損すれば、もちろんガス漏れが起きやすくなりますし、残っているガスに火気が引火して爆発事故が起きる可能性も出てきます。
そうならないよう、ガス供給契約を解除する際には、解体工事を実施することを伝え、事故防止のために配管図などの必要資料を提供してもらうことが重要です。
一番ベストなのは、解体時にガス供給会社の社員にも立ち会ってもらうことです。直接解体業者に説明をしてもらうことで、事故のリスクを軽減することができます。
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空き家のガス契約は、空き家の維持管理にガスの必要性がない以上は、無理に維持しておく必要性は少ないと思われます。
一時的に空き家になったとしても、将来的にまた誰かが住むことが分かっていたとしても、基本料金を払うのはもったいないので、人が住んでいない空き家の期間が分かっている限り、ガス供給契約を解約して止めることも問題はありません。
むしろ、ガス供給がいつでもできる状態にしておくことで、ガス爆発やガス漏れなどの重大な事故の原因になってしまうこともありますから、かなりのリスクを抱えてしまうことも考えておくべきです。
それに、ガス供給の基本料金を払い続けるよりは、同じお金をハウスクリーニングや空き家管理の費用として専門業者に払った方が、空き家の維持管理に有意義に活用できるものです。
実際、空き家の維持管理に必要なのは、ガスよりも電気や水道の契約です。
空き家をどのようにするのか、空き家を維持管理しておくためにはどのようなことをしなくてはならないか、それぞれ考えて結論を出されることをお勧めします。
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