空き家の処分を考えている間にも維持管理の手間と費用がかかりますから、本当に管理を持て余しているならば「空き家をあげる」ことも考えてみましょう。
不要になった空き家を処分しようとした時、一般的には売却するか解体するかのいずれかを考える人が多いのではないでしょうか。
中には空き家を活用して民泊を始めるなど事業で空き家を活用することを考える人もいるでしょうが、そううまくいくものではありません。
ここでは空き家を誰かに無償譲渡する時に考慮しておきたい4つのことを解説します。
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法律上、空き家を無償譲渡することは可能です。ただし、譲渡をする側も譲渡を受ける側もその後になってトラブルが起きないように様々な確認をしておくことは必要不可欠です。
特に、これから紹介する3つの部分はしっかりと確認してください。
大家と引受人が同意すれば、空き家を無償で譲渡することは可能です。ですが、無償譲渡を検討する前に「今の空き家の価値」については確認しておくことが必要です。
固定資産税の積算根拠は、毎年5月末ごろに自治体から固定資産税の請求が来るときに一緒に積算根拠を記した通知書が届きます。
この通知書にはあなたが持っている土地や家屋の一覧と税金の積算根拠とした金額が記載されています。
この時に積算根拠とされている金額は、自治体が持っている基準により経年劣化を考慮したうえで建物や土地の価値を算定したものです。この金額は一般的に建物や土地の価値を示す金額として活用されています。
また、周辺の不動産価格は知り合いの不動産屋やインターネットで相場を掲載しているホームページを確認してみると分かります。
あわせて本当に無償で譲ってもいいのか再確認することもお勧めです。不動産屋に査定をしてもらい、以下のそれぞれの場合でどの程度の売却益が見込めるのか確認しましょう。
空き家の価値を考慮する時にはあわせて土地の価値も確認しましょう。場合によっては空き家を解体して更地にしていつでも住宅用地として活用できる状態にして売却すると売却価格もアップします。
空き家の管理上このまま持っておくことが負担になることは分かりますが、無償で譲ろうとする際はまず物件の価値が無料で譲るだけの価値なのかを確認することは忘れないでください。
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売却価格に100万円以上差がつくこともよくある話です。売却するなら複数の企業で比較することをおすすめします。
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建物や土地を譲る際には、土地の所有者を変更する登記にかかる手数料などが存在します。必ず必要な費用には次のようなものがあります。
仲介手数料は売買時成立時に不動産屋に支払う手数料です。手数料は売買金額の3%程度+60,000円程度が相場とされています。
ただし空き家を無償譲渡する場合は媒介金額そのものがありませんので、不動産屋に仲介を依頼する必要がないとも言えます。
印紙税は売買契約書に貼付するもので売買価格によって金額が異なります。例えば500万円~1,000万円の間にあたる売買価格の場合は5,000円分の印紙が必要です。
一般的には司法書士などの専門家に依頼することが多いのですが、その場合は1件につき20,000円~30,000円程度の報酬が必要になります。
その他必要となって来る経費は建物引き渡しまでに整えておくべき環境整備のための費用が一般的です。例えば空き家内の清掃の費用や不用品の処分費用が代表的な経費です。
場合によっては登記を行う時に隣地所有者との協議が必要な事があります。その協議の結果隣地との境界を確定させる必要が生じることもありますので、この時には測量にかかる費用が別途必要になります。
前述した費用のうち仲介手数料は不動産屋を依頼しなければ不要になりますが、それ以外の費用のうち印紙税は大家が、登記費用は引受人が支払うことが一般的です。
ただし、これは金銭の収受が発生する場合の例であって空き家を無償貸与する場合はこれにあたりません。
大家として一刻も空き家を手放したいなどの事情がある場合は別ですが、やはり「無償譲渡」なのですから諸経費は引受人に負担してもらうよう依頼するのが基本です。
ちなみに。空き家によっては複数名の所有である場合もあります。この場合はすべての所有者が同意しなくては無償譲渡することはできません。
無料で空き家を手放すわけなので、大家としては不用品を処分したり空き家を修繕したりするなど自分の財布から余分なお金を出してまで空き家を譲ろうとは思いません。
ですから無償譲渡の条件として「現状渡し」を提示するのは問題ありません。引受人も家がもらえるのですから現状渡しに応じる可能性は高いです。
ただし、引受人がもらいうけた空き家をどのように活用するのかで話は少し変わってきます。例えばその空き家に誰かが住むのか住まないのかでは話が大きく変わります。
誰かが住むと言うことは「住める状態にある空き家を譲ってほしい」という前提条件が基本になってきます。ですから生活インフラに不備があるような空き家は引き受けてもらえない可能性が高くなります。
大家としては「無料であげるのだから」と言いたくもなるでしょうが、これらの行き違いがその後のトラブルにもつながりかねません。
トラブルを防ぐためにも現状渡しは行うものの、起こりえるトラブルや空き家の破損は明らかにしておくことだけは忘れないでください。要するに「前もって聞いていなかった」と言う引受者からのクレームを防ぐことを考えればいいのです。
現状渡しを行う前に実際に空き家を見せることで、将来的な修繕が必要になる部分について前もって引受人に説明しておくことです。
それで納得できなければ「無理に空き家をもらってもらわなくてもいい」ぐらいの開き直りで十分です。
こちらは無償譲渡するのですからその物件に対してあれこれ事前の対応をしろと言うのは「厚かましい」と考えてもおかしくありません。
空き家を無償譲渡すると大家にはどのようなメリットがあるでしょうか。
固定資産税など税金面の負担が無くなることはもちろんですが、空き家の維持管理するための費用や時間を費やさなくて済むメリットもあるでしょう。
この章では無償譲渡する4つのメリットについて詳しく解説します。
固定資産税は毎年1月1日の時点で土地や建物を所有している人に課税されます。
空き家を無償譲渡する場合は、1月1日の時点で自分から引受人に権利が移っていないと固定資産税の請求が前の所有者である自分に来てしまいます。
なお、土地や建物の名義を変更する「所有権移転登記」を法務局で行えば、自治体への届け出は不要です。自治体は法務局の登記を確認できれば新たな所有者に固定資産税を請求するようになります。
もし、所有権移転登記が1月1日までに間に合わなかった場合は、固定資産税の支払いを引受人に依頼するか自分が立て替えて支払っておき同等の金額の支払いを引受人に依頼するかのいずれかで対応するのがいいでしょう。
所有権移転登記は一般的に司法書士に依頼して行うものです。でも自分で登記を行うことはできなくはありません。
以下のホームページに自分で所有権移転登記を行う時の方法が掲載されているので参考にしてください。
http://www.kakuta-honda.com/blog/2012/11/post-82-156968.html
一般的に空き家の維持管理を継続して行うためには、以下の費用が必要不可欠です。
空き家を無償譲渡すると、これらの費用がすべて不要になります。空き家の無償譲渡を検討するにあたって、ます空き家を維持管理するにあたってどの程度の費用がかかっているかを確認しましょう。
これらの費用のうち、電気代や水道代などの生活インフラの維持管理費用や町内会費は引き続き利用できるものです。場合によっては解約するのではなく自分の名義から引取人の名義に切り替えるといいでしょう。
なお、切り替える基準日は契約日とするか登記完了日とするかは相互の話し合いの結果決めておきましょう。基準日が決まれば名義人変更に必要な手続きが可能になります。
意外に費用がかかるのが自宅から空き家までの往復交通費です。高速道路でも使っていれば有料道路料金やガソリン代など思わぬ費用がかかっていることもあるので、この機会にぜひ確認してみましょう。
空き家も財産の1つですから、故人から譲り受けた場合には相続税の課税対象になります。
ちなみに、誰かが住んでいる家を相続する場合よりも空き家を相続した場合の方が相続税は高くなります。例えば故人から相続を受ける法定相続人が4人いる場合は5,400万円までが基礎控除額となります。
もし5,400万円を超える財産の相続を受けた場合初めて相続税が課税されることになります。
相続税は、空き家だけではなく現金や美術品など様々な財産をすべて合算した結果で課税されます。逆を言えば相続税をうまく節税するためには空き家を無償譲渡してしまえば財産の中に含まれなくなります。
空き家に関する税と言えば「譲渡所得」も影響があります。これは空き家を有償で譲った時に得られる利益に対して課せられるものです。
ただし、空き家の活用を国が進めているので条件を満たす空き家を譲渡した場合には3,000万円まで特別控除があります。
条件としては相続してから3年以内に譲渡した空き家であることや、現在の建築基準法で定める耐震性能を有している空き家に限られます。
なお、空き家に関する税金については以下のホームページに詳しく書かれていますので参考にしてください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1440.htm
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm
https://xn--w8jvl3b6d9gz83xm5o0mc223e.jp/portal/column/inheritance-tax/
空き家で地域に貢献できるとは、なかなか思いつかないことでしょう。
空き家が増えてきた現在、空き家を使って事業を興したり地域の居場所づくりとして空き家を活用する事例が増えているのです。
ですので、空き家を個人に譲るのではなく空き家を地域のNPO法人や自治体に無償譲渡する考え方も視野に入れても良いでしょう。
NPO法人の情報は各都道府県や政令指定都市で確認することが出来ます。空き家を譲りたいNPO法人が見つかれば直接話をしてみることも可能でしょう。
一方、自治体が住民からの無償譲渡の依頼に応じることは少ないです。
自治体は譲渡を受けた後の維持管理経費のことも考えると、本当に行政施策のために必要な物件でない限り無償譲渡を受け入れることはありません。
最近になってNPO法人と行政が一緒になって空き家を活用するプランを実行しているところもあります。次のホームページには実際の施策が掲載されているので参考にしてください。
http://www.setagayatm.or.jp/trust/map/akiya/index.html
空き家を譲りたいと言っても、「譲りたい相手を探す」ところから始める人も多いのではないでしょうか。
この章では空き家を譲る相手を探す方法について解説します。
家を欲しがっている人が一番に尋ねるのは不動産屋です。家を譲りたい相手を探すのも不動産屋が抱えている顧客にアプローチするのが一番確実です。
ただし不動産屋に「無償で譲りたい」と言った時に対応してくれるかどうかは、その不動産屋の経営者の判断になります。
不動産屋の立場で考えれば不動産の売買を仲介することで手数料を得て利益を得るビジネスモデルなのに、無償譲渡になると手数料が入りません。
手数料が得られないので不動産屋としては無償譲渡の仲介にはあまり乗り気にはならないでしょう。中にはいくらかの手数料を支払うことを条件に仲介してくれる不動産屋もあるでしょう。
また不動産屋によっては「自分たちが購入する」と言う場合もあります。不動産屋はあなたから購入した物件をうまく売り抜けて利益を得ようとするのです。
不動産屋がこのような提案をした時は「売却した方が得」ということですから、即答はせずに複数の不動産屋に相談してみるべきでしょう。
売れば利益が出る空き家と分かれば一番高く買ってくれる不動産屋に売却した方が得です。
空き家を譲りたい場合は自治体に相談してもいいでしょう。
その時に「空き家を持て余しているから」と申し出ても取り合ってもらえません。自分が持て余している空き家を自治体が受け取って維持管理をしてくれるわけがないのですから。
そうではなく「移住者に使ってもらいたい」「NPO法人に使ってもらいたい」などと地域の役に立つ形で活用してもらいたい意向を伝えるとまだ話も聞いてもらえます。
特に最近は自治体で移住者施策に力を入れているところが増えています。移住者を受け入れるためには安価で提供できる住居を探している自治体も多いのです。
つまり自治体のニーズと自分の空き家がうまくマッチング出来れば自治体に空き家を無償譲渡できる可能性も生まれてくるでしょう。話を持ち込む前にまず自治体の移住者施策を確認してからでも遅くはありません。
実際最近では多くの自治体が移住者施策に取り組んでいます。以下のホームページに情報が掲載されていますので参考にご覧ください。
空き家だけを登録できる「空き家バンク」も最近は増えてきました。
空き家バンクは、その名の通り空き家の活用を図るために譲りたい人と使いたい人の相互を結びつけるために設けられたものです。
自治体が空き家対策の一環で設けた物もあれば、不動産屋が空き家物件を紹介するために設けた物もあります。
空き家バンクに登録できれば、インターネット上の専用ホームページに自分の空き家が掲載されて全国どこからでも確認してもらえるようになります。
不動産屋の空き家バンクは有償での売買が前提になっているので、空き家を無償譲渡する場合には自治体の空き家バンクに登録する方がいいでしょう。
空き家バンクに登録する時には、空き家の状況だけではなく付随する物件などがあれば合わせて登録するといいでしょう。
例えば空き家だけではなく不要な農地が一緒に譲渡できることや家財道具がついていることなどの情報を一緒に登録しておくと、希望者が見つかる可能性が高くなります。
http://www.fudousan.or.jp/akiya/
空き家の引受人が見つかったとしても、実際に譲る時に必ず留意して欲しい事項もあります。
譲ってからもトラブルは起きかねませんし、譲る直前になって条件が折り合わなくなって交渉が破談になってしまうことがあるからです。
この章では特に気をつけて欲しい6つのポイントについて解説します。
あなたから空き家を譲りたいと申し出たとして、相手は必ず空き家の所有権を明らかにするように求めてくるでしょう。
この時の所有権とは、あなたが空き家に案内して現地を見せると言う意味もありますが、同時に登記の状況など法律的な所有者であることを証明することも含まれます。
実際、不動産に絡む詐欺事件で多いのは「物件を譲る」と申し出た人間がその不動産の持ち主本人でないためにお金を支払ってから詐欺だったことに気づくケースです。
所有権を明らかにするために一番いいのは登記証明書を見せて所有者本人であることをあわせて証明することです。
登記証明書と一緒にあなたの顔写真付きの免許証やマイナンバーカードでも一緒に提示すれば問題はないでしょう。
もし空き家の登記がまだあなたの名前になっていない時は契約時までに対応するように先方に申し出ます。また複数名の所有者がいる場合はそれぞれの所有者の情報を明示することも忘れないでください。
あわせて証明しておくべきなのは境界です。隣地との境界が不明瞭な部分がある場合は後で係争の種になってしまうので、あなたが無償譲渡する前に境界を確定させておくべきです。
土地や空き家を譲る時には境界など権利関係のすべてが確定した状態で譲ることを前提に考えましょう。
空き家は現状渡しで無償譲渡することが一般的です。ですから実際に契約を交わす前に必ず空き家の現状を見せてから同意してもらうことが重要です。
そもそも契約書を交わすべきなのか迷う場合もあります。無償譲渡なのですから金銭が発生しないのに契約書を交わすのはナンセンスだと言う考え方もあるでしょう。
でも、契約書は金額の確認以外にも権利の取り扱いや譲渡後の係争が起きた時の対応など様々な取り決めをしておくものですから必ず交わした方がいいでしょう。
契約を交わすことを前提にすれば、実際に空き家の様子を確認して納得してもらったうえで契約書を交換するのがお互いに納得できる方法でしょう。
契約書を交わす上で一番留意すべきは「隠し事」をしないことです。例えば重大な空き家の破損があることを隠すとか、隣地の住民とのトラブルがあることを隠すことです。
空き家の破損は引受人にとって急な出費の原因となります。
無償で空き家をあげるのだから我慢しろと言いたいのでしょうが、引受人にとってみれば破損がある空き家なら無償でもらわなかったという言い分も成り立ちます。
隣地の住民とのトラブルはもっと厄介です。隣地の住民が今まで我慢していたトラブルを引受人にいきなり申し出てくることもあるでしょう。
あなたは既に空き家を譲渡したので関わりが無いでしょうが、事情を知らないままにあれこれ要求される引受人にしてみればたまったものではありません。
不動産の無償譲渡については以下のホームページが詳しいので一度ご覧ください。
空き家ともなれば数年間人が住んでいなかった状態の場合もありますから、大家が気づかない破損が生じている場合もあります。
特に確認しておくべきなのは以下の部分です。
屋根や外壁の破損は、それ自体が構造体の劣化によって屋根や壁を支えることが難しくなっていることを意味します。屋根や外壁に亀裂が走っているような場合は何らかの破損が生じている可能性があります。
また隣接の民家との間を仕切っているブロック塀なども合わせて確認しておきましょう。これらは修繕する場合隣接の民家の所有者と費用を折半して直すことが多いです。
隣家の住民とのトラブルを避けるためにもぜひ確認しておきましょう、雨漏りは屋根の破損を疑うことはもちろんですが、雨漏りしている部分の構造体や床板などが腐食している可能性も疑いましょう。
それらが腐食していると最悪の場合家の倒壊を招く危険性があります。
シロアリは湿気の多い空き家の床下に巣を作ることが多いです。木材を食べるので当然構造体が劣化してしまいます。家の周辺に羽のついたアリが飛び交っているようであれば速やかに検査を行うべきです。
シロアリの検査を行う時のノウハウは以下のホームページに詳しく紹介されています。
http://www.sankyo64.com/work/termite/survay/
譲り受けた空き家を早速居住用の家として使う場合もあるでしょう。その場合は安全にその家に住めることを担保してあげるのが大家としての務めです。
生活インフラの中でも上下水道は居住するためには重要です。水が使えないと生活が出来ませんが、生活排水がうまく排出されないのも悪臭などの原因になります。
上下水道管が破損していると漏水も起きますから、漏水によって床下が湿気だらけになり家の基礎が腐食してこれも家の倒壊を招く可能性があります。
意外と気がつかないのが電気です。空き家になっている時は電気の契約を解除しているので通電していない状態が続きます。
再び人が住むようになって通電を再開した時に、室内の電線の腐食などで漏電が起き最悪の場合発火する可能性もあるのです。
特に室内の電線は、ネズミがかじったり雨漏りで腐食するなどして劣化することがあります。
ブレーカーが正常に作動していれば漏電時に電気をシャットアウトしてくれるので発火を防ぐこともできますが、そのブレーカーも経年劣化で正常に動作しない場合もありえます。
特に電気関係の機材や配線は前もって点検を受けておくことをお勧めします。
空き家に隣接して不要な農地がある場合は、一緒に譲ることも提案しましょう。空き家でさえ管理に手間をやいているのに農地や山などを所有しているとなおのこと管理に手間がかかります。
それらも合わせて譲ってあげれば喜んでそれを使う人も中にはいます。例えばセミリタイヤして都会から引っ越してくる人にとっては、農業も一緒にできるとなれば田舎での自給自足の生活ができるわけです。
農機具と持っている場合は一緒に譲ってあげるとなおのこと喜ばれます。空き家を無償譲渡する場合、現状渡しするのと一緒に使えそうな土地や農機具などを一緒に譲ってあげるのは時にメリットになりえます。
「住み始めてすぐに農業が出来る」などと宣伝すれば希望者も見つかりやすくなります。もちろん、引き渡しの前にはそれぞれの土地や農機具などは実物を見せて確認してもらうことです。
納得してもらえれば一緒に譲ればいい程度のもので、最初からセットにして引受人を探す必要はありません。
空き家を譲ってしまえばもうその空き家にもその土地にも縁はない、と考えるのは仕方がないことです。
でも、せっかく縁が出来たのですから譲り受けた後の様々なフォローを申し出ることで引受人が増える可能性はあります。引受人が縁もゆかりの無い場所に引っ越してきても、誰を頼っていいのか困ってしまうこともあるでしょう。
そんな時に元の大家であるあなたがいろいろアドバイスをしたり地元住民の紹介をすることで安心してその場所に住める安心感を提供できることになります。
具体的なフォローの方法としては、町内会長など地域のキーマンを紹介することや修繕などを行う際の業者を紹介することなどです。
また農業に初めて取り組むような場合は農業の手ほどきをしてあげるなどすれば空き家の引き取り手はすぐにでも見つかるでしょう。
空き家を無償譲渡したいと考えることは、既に空き家の維持管理をしていくことに限界を感じているからです。
維持管理の費用が負担に思えるのはもちろんですが、空き家と自宅までの往復や維持管理の作業に掛ける時間などがプライベートを制約することも多くなるからです。
お金を払えば維持管理は業者が請け負ってはくれますが費用の負担は解決できません。ここまで悩んでいる状態であれば「空き家を無償譲渡する」ことを考えてもよいのかもしれません。
ですが空き家を無償譲渡する前に、空き家がどの程度の価値があるかは確認するべきです。自分ではわからない価値も不動産屋などに相談した結果判明する場合があるからです。
最終的に空き家をただであげることになったら、所有権を移転するための必要な手続きと費用は確認しましょう。
手続きは場合によって司法書士に依頼して行うこともありますから、この時の報酬も費用には含めて考えましょう。
あと、ただであげるからと言って契約書を交わさないのは避けましょう。
契約書は金額の定めももちろんですが具体的な権利の取り扱いや譲渡後の係争が起きた時の対応など様々な取り決めをしておくものですから必ず交わしておくべきです。
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