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迷惑な隣の空き家の所有者を調べる方法は?

迷惑な空き家の所有者を調べる方法は?

自宅の隣に管理が不十分な空き家があることで、生活に支障をきたして困っている人は年々増えています。

 

例えば、空き家から樹木が伸びて自分の家に入る、破損した空き家の一部が飛んできて自分の住居や自動車などに傷をつける、飛散しているゴミが悪臭を放ったり野良犬や野良猫が住みついたりと、さまざまなトラブルに巻き込まれる場合もありえます。

 

ですが、空き家になってしまうと誰が持ち主かもわかりません。仮に持ち主が分かったとしても、その人が亡くなっていれば誰が管理をしているのかわからない場合もあり、誰に連絡をしてよいのかわからず困る場合もあります。

 

既に実害が生じている場合はすみやかに連絡を取りたいものですが、実際にどのような実害が生じていれば対処してもらいやすいかを解説します。

 

実害がないと取り合ってもらえない

まず、空き家関連のトラブルで実害が生じている案件でない限り、公的機関に相談をしても所有者や管理者を教えてもらえるわけではありません。

 

最近は「個人情報の保護」が特に重要視されていますから、よほどの案件でない限り公的機関も個人情報を開示してくれないのです。

 

実際、どのようなケースが「実害」にあたるのかをまとめてみました。

 

自身の生活に支障をきたしている

まず、以下のようなケースに相当していれば、自身の生活に支障をきたしている、つまり「実害」をきたしていると判断される場合が多いです。

 

  1. 空き家の一部が破損して自分の財産や住居に傷をつける危険がある
  2. 空き家そのものが倒壊する危険がある
  3. ゴミの投棄などで空き家が不衛生な環境にある
  4. 空き家からゴキブリやシロアリなどの害虫が発生している
  5. 野良猫や野良犬が住み着いて騒音被害や不衛生な状況になっている
  6. 庭木が伸び切って自分の土地にはみ出している
  7. 盗難や侵入被害があるなど治安上の不安を招いている
  8. ホームレスなどが違法に空き家を占拠して治安の悪化を招いている

 

特に第三者の持っている財産を傷つけたり、第三者が生命や身体の危険にさらされているような状態になっている場合は「実害」認定されやすいでしょう。

 

自身の財産が失われる危険にさらされている

ここで言う「財産」とは、持っている不動産や自動車などの動産だけではなく、自分自身の身体も含むと考えていいでしょう。

 

もし、空き家の管理が不十分なために悪影響で、あなたの財産が失われる危険性がある場合、あるいは実際に財産に被害を受けた場合は実害認定を受けやすいです。

 

実際に、空き家をめぐる裁判の中で実害が認定されたケースを調べてみると、次のような事例がありました。

 

庭木が台風による強風で倒木して隣家の屋根や車庫の一部を破損した
不法侵入者が空き家で火の不始末を起こしたため失火し隣家にも一部延焼した
空き家に住み着いた野良犬に隣家に住む子どもが噛まれた
空き家の軒先にスズメバチが巣を作りそれらに隣人が刺された
空き家にシロアリが発生しそれらが隣家に繁殖して住宅の一部が被害を受けた
空き家の水道管が破裂して自宅まで水浸しになった

 

いずれの場合も、空き家の持ち主や管理者が普段から管理をしていれば、適宜対策を依頼して大事に至る前に対応をしてもらえるケースと言えます。

 

その他の事例は「空き家放置トラブルで損害賠償請求されないために知っておくべきこと」に詳しく掲載しています。

 

あらゆる方法を尽くしても連絡がつかない

隣家として空き家関連のトラブルを防ぐためには、まず実害を受けないように定期的な対策や空き家の管理をお願いしておきたいものです。

 

ですが、そもそも誰が空き家の所有者であり、誰が管理しているのかがわからなければ相談のしようもありません。

 

かといって、ポストをまさぐって郵便物などをチェックしたり空き家に侵入して表札などを確認しようものなら不法侵入罪に問われてこちらが逮捕されてしまうこともあります。

 

自治体や警察に聞いてもわからない(あるいは教えてもらえない)状態になると、一般市民としてできることはもう無く「お手上げ」とも思えます。

 

でも、さまざまな公的機関や各種サービスを利用すれば、意外と空き家の所有者は判明する場合がありますので、次の章で解説します。

空き家の所有者を調べる方法

空き家の所有者を調べる

私たち一般市民でも空き家の所有者を調べる方法は存在します。ただし、所有者が分かっても実際に空き家の管理をしている人間が別に存在している場合もあります。

 

ですが、まったく相談できる人がいないよりはましなので、空き家関連のトラブルで困っている場合はぜひ今回紹介する方法を実践してください。

 

自治体に苦情を申し出る

自治体も2015年に「空き家対策特別措置法」が施行されて以来、空き家対策に積極的に乗り出せるようになりました。

 

特に、この法律で所有者を迅速に特定できるよう、自治体が所有して厳重に管理すべき「税務情報」の利用が解禁されたことで、一般市民からの苦情にもスピーディーに対応できるようになったのです。

 

自治体は固定資産税を徴収する業務を担っており、当然空き家であっても所有者の住所や氏名を把握していますから、これらを一般市民からの苦情に対して必要な情報として活用することが出来るのです。

 

ですから、苦情を申し出ても自治体に門前払いを受けることはありませんが、直接「持ち主か管理人の名前を教えてくれ!」と言ってもすぐには対応してもらえないでしょう。

 

やはり個人情報をむやみやたらに第三者に漏らすことは自治体にはできないので、先方の承諾を得てから改めてお伝えする、と言う対応になるのが一般的のようです。

 

なお、空き家対策特別措置法については「空き家対策特別措置法を守らなかったどうなる?」に詳しく掲載しています。

インターネットで調べる方法

「登記情報提供サービス」は、インターネットを経由して登記情報を閲覧できるサービスです。

 

閲覧しているページを印刷すればそのまま資料として手元に残すことは可能ですが、公的な証明や資料として提示することはできませんので、それらが必要な場合は法務局に出向いて証明書形式の資料を手に入れなくてはなりません。

 

登記情報提供サービスは事前にID登録が必要ですが、一度登録してしまえばそのIDとパスワードで利用でき、パソコンやスマートフォンからでも情報を閲覧することが出来ます。詳しく配下のホームページを確認してください。

 

登記情報提供サービス

https://www1.touki.or.jp/

法務局で証明を取得する

全国にある法務局は、土地や法人の登記をつかさどる法務省所管の機関です。

 

それぞれの住所地を所管する法務局が必ずあるので、該当する法務局に出向いて証明を取得すれば空き家やその土地の所有者を証明する書類を手に入れることが出来ます。

 

証明の中でも、不動産登記簿に記載されている内容のすべてを証明してくれるのは「全部事項証明書」になります。

 

全部事項証明書は、土地や建物の所有者が権利を証明するために所持する「登記簿」と同じ内容が記載されていますが、全部事項証明書の場合は所有者以外の誰もが申請して交付を受けることができる点です。

 

全部事項証明書に記載されているのは、その土地や建物の所有者だけではなく、所有者の移動や抵当権の異動など過去履歴も掲載されています。

 

まず、全部事項証明書を取得すれば土地や建物の持ち主は判明します。ただし、土地や建物の所有者が亡くなってもすぐには存命の人物に登記変更される事例が少ないので、判明した人間が既に亡くなっている場合もあります。

 

また、持ち主が分かったとしてもその人間の住所は登記当時の住所であり、現在の住所地は登記変更がされていない限り最新の住所とは限りませんので注意が必要です。

置き手紙をする

空き家にポスティングして自分の事情を伝えて対策を依頼する方法もあるでしょう。

 

この場合、どの程度の頻度で空き家に人の手が加わっているかで対策の有無が変わってきます。

 

台風が近づいているから今週末には対策を、と言うような早急な対策を求めるために置き手紙をしてもあまり意味はないかもしれません。

 

あと、持ち主も管理する人もすべて亡くなっているなど人の縁が絶えている空き家の場合、いくら手紙を置いても取りに来る人もいなければ気にする人もいないでしょう。

 

ですから、置き手紙をする場合は「1ヶ月以内にご連絡がない場合は自治体や警察に相談します」など、期限を区切っておくべきです。

 

実際、空き家をめぐるトラブルには、警察や自治体に通報することで空き家の持ち主や管理者が激怒して人間関係がこじれてしまう場合もあります。

 

前もって「場合によっては通報」と宣言しておくことで、通報することそのものを避難されないように予防栓を貼っておくことも重要です。

弁護士に依頼する

弁護士に依頼して持ち主や管理者を探してもらうこともできますが、「B法務局で証明を取得する」で行った方法と同じ方法で調べてもらうことになるので、持ち主や管理者を知りたいだけなら弁護士に依頼する費用がもったいないです。

 

弁護士に依頼することは、相手に対して裁判で訴えたり、法律で判断が分かれるような責任の所在や賠償責任の有無などを判断するための資料作りです。

 

これらに該当する行為に及ぶ場合は、弁護士に依頼しておくべきです。実際に自分の財産に被害を受けた場合には裁判になる可能性も十分にあるので、弁護士を立てることを最優先に考えましょう。

探偵に依頼する

弁護士だけではなく、探偵に依頼して持ち主や管理者を探してもらうこともできますが、「B法務局で証明を取得する」で行った方法と同じ方法で調べてもらうことになるので、自分でできないわけではありません。

 

ですが、探偵の場合は手に入った情報をもとにその人間の生活状況や連絡先などを入手してくれるので、とにかく相手と直接話をしたい場合は探偵に依頼するのも選択肢の1つでしょう。

 

その際、「なぜこちらの住所や電話番号を知ったのですか?」と聞かれた時、探偵を使ったとは言いづらいでしょう。探偵を使う=悪事を暴こうとする、と言う考え方の人も多いですから、その後の円滑な人間関係を構築することはほぼ不可能になります。

 

この場合、敢えて探偵を使ったと宣言することはせず、近所の人に聞いたとか警察に相談したなど、別の方法で調べたと伝える方が良さそうです。

 

探偵ならではの調べ方としては、空き家の様子を常に確認して誰かが出入りしているようであれば話しかけて事情を説明し、持ち主や管理者を聞きだすことも行っています。

 

もし、管理を任されている業者が問い合わせをされたとしても、依頼主の個人情報をすぐに教えることはできませんから、「伝言しておきます」と言う対応になるでしょうが、相手が常識のある人であれば、後日先方から連絡が入ってくるでしょう。

所有者が分かった後に成すべきこと

登記情報などが分かれば所有者や管理者が分かりますが、その後に私たち「困っている」立場の人間はどのように対処するべきなのでしょうか。

 

特に必要と思われる対処について、わかりやすくまとめてみました。

 

具体的な要望を文書で伝える

まず、具体的な要望や改善内容について文書で伝えることです。

 

電話で伝えた場合は「言った」「言わない」と後で係争の元にもなるので、文書に残して相手に手渡しておくべきでしょう。

 

そうすると後で裁判等に発展しても「伝えた」という事実が記録されているので、あなたの要望を相手が放置した、などの既成事実として訴えることも可能になります。

 

実際の状況を相互に立ち会って確認する

所有者や管理者と実際の状況や困っている部分、改善して欲しい部分を確認することはぜひ行いましょう。

 

こちらは困っていると訴えても、相手側はそこまで重大なこととは考えないこともあるので、実際に現場を見せて危険な個所や破損している箇所を説明しないとことの重大際に気付いてもらえない場合もあるのです。

 

また、立ち会った時には写真を撮影して相互に確認した事実を記録しておきましょう。自分自身や相手側の人間が被写体として一緒に写っている方がより確認の事実を残しておく意味では適切です。

 

弁護士を立てて協議する場合は、当然立ち会い時にも同席してもらうべきですし、自治体職員や警察など相談済みの機関の職員にも場合によっては同席を求めるべきです。

 

お互いに納得できる期限を設ける

対策を依頼してもなかなか対応してもらえないことも場合によってはありえます。

 

ですから、まずは「いつまでに」と言う期限をお互いに納得する形で区切って文書に残しておくことです。

 

自分の言い分も言いたいところですが、相手にも金銭的な事情があるかもしれませんから、お互いに妥協点を見出して期限を設定することは必要でしょう。

 

ただし、期限を破った時には話は別です。大人同士が誠意を持って決めた約束事を破られたのですから、警察や自治体など公的機関に相談したり、訴訟を起こすなどの強硬的な選択肢も視野に入れなくてはなりません。

 

この時、期限を明記した文書などが記録されていれば訴訟などで優位に立てるので、ぜひ交渉や相談の記録は確実に残しておきましょう。

所有者不明の空き家はどうなるのか

さまざまな努力をしても、結局所有者や管理者が分からなかったり、対象となる人がすべてこの世にいなかったりする場合もあるでしょう。

 

その場合、本当に危険な空き家であるかないかで対応が変わってきます。

 

2015年に施行された「空き家対策特別措置法」が適用されるか否かがポイントになってきます。

 

特定空き家に指定されれば自治体が解体する

1年以上人の出入りがなく、不適切な状態で放置された空き家は、空き家対策特別措置法に基づき「特定空き家」に指定されます。

 

特定空き家に指定されると、自治体が持ち主などを調査して強制力のある是正勧告を行い、応じない場合には罰せられることになります。

 

ここまで来ても状況が改善されない場合で、そのまま放置していると隣接の民家や通学路などが危険な状態になる場合は、自治体が「行政代執行」として持ち主に代わって解体処分を行います。

 

行政代執行は、あくまで「代わり」に行うものなので、かかった費用は自治体が立て替えてその後費用を持ち主に請求します。持ち主が拒否しても自治体は訴訟も辞さないでしょうから、場合によっては裁判費用と空き家の解体費用のすべてが持ち主に課せられる場合もありえます。

 

特定空き家に指定されない限り放置される

では「特定空き家」に指定されない空き家はどうなるかと言えば、そのまま放置され続けてしまうのが実情です。

 

何十年も放置されていると実際に倒壊の危険性などが増してくるので、結果的に特定空き家に指定されることにはなるでしょうが、今すぐ対策を講じて欲しい人にとっては歯がゆいでしょう。

 

だからと言って、直接事態に対処しようと勝手に相手の空き家に立ち入るのは法律で住居侵入罪や軽犯罪として扱われる可能性が高いです。

 

歯がゆい気持ちは分かりますが、法律は順守して行動することだけは忘れないでください。

 

まとめ

空き家に関するトラブルは空き家の増加に伴い年々増加していることは事実です。

 

「空き家対策特別基本法」があると言えども、自治体としては本当に危険な空き家でない限り解体に及ぶことは少ないのが実情です。

 

自治体が費用を立て替えて空き家を解体するのですから、その費用を回収できない場合には当然二の足を踏むわけです。これでは根本的に危険な空き家が無くなるまでには相当の時間を有するに決まっています。

 

今は空き家でなかったとしても、将来的に空き家になってしまう物件は潜在的にあります。近所づきあいのある老夫婦がある日老人ホームに入所すれば、すぐに空き家が生まれてしまう時代になっているのです。

 

まずは日常の近所づきあいを見直し、少なくとも「隣の家は誰が持っている」レベルのことは知っておくように心がけておくのが大事です。

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