最近起きている火事の中では、火の気のないはずの空き家からいきなり失火することがあるようです。
実は空き家からの失火原因には「漏電」が大きく関わっています。電気が屋内のどこから漏れているかもわかりにくく、素人には漏電していることに気づかない場合もあります。
このページでは「空き家の漏電を調べる方法」と「空き家の漏電を直す方法」をご紹介します。
空き家の漏電を調べる方法には、素人でも分かる方法もあれば専門業者に依頼しないと分からない方法もあります。
それぞれどのような方法があるのか、それぞれ費用がどの程度かかるのかをご紹介します。
素人が空き家の漏電があるかを簡単に調べるには、電気の消費量を確認することです。
電気の消費量は毎月ごとに検針されて、電力会社から送付される請求書に前月の電気消費量が必ず掲載されます。
その請求書を見れば空き家の電力消費量を前月と当月とで比べることができます。もし前月に比べて極端に電気消費量が上がっているならば、家の中のどこかで電気が漏れている可能性が高いです。
電気が漏れているといっても電気は目に見えるものではありませんから、どこで漏れているのかを調べるのは素人では困難を極めます。
素人で出来る確認の方法は、部屋ごとのブレーカーを確認してみることです。
ブレーカーはその回線に電力の負荷がかかりすぎると動作して電力供給をとめる仕組みになっています。
漏電が生じている回線であれば、何気なくさまざまな電気機器を使っているはずなのに、その日に限ってブレーカーが落ちてしまうという現象が起きます。
まず、家の中にある分電盤の場所を確認し、同時に建築当時の電気配線図面があれば合わせて用意します。
それぞれの配線においてありったけの照明や家電製品を動作させて、ブレーカーが落ちなければその回線は問題がないと考えて、以降その確認作業を繰り返します。
もし異常のある回線が分かったら、その回線周辺の確認と修理を専門業者に依頼しましょう。実際、屋内の電気回線を直すのは素人には無理です。
ただし季節によっては電力消費量は格段に変わってきます。夏と冬は冷暖房のために家電製品を使うので、春と夏、秋と冬の状態を比べても何の意味もありません。
あと分電盤にある「漏電ブレーカー」が落ちている場合は、明らかに室内のどこかに漏電が発生しています。自分で点検をする前に専門業者を呼んだほうが対応も処置も早いです。
漏電ブレーカーを使った確認の方法手順は以下のとおりです。
このとき、問題のある回線の配線用遮断器を「入」にしたときに漏電遮断器が切れたらその回線に漏電の可能性がありますので、専門業者に状況を伝えてください。
専門業者とは一般的に「電気工事」を行うことが出来る業者の事を指します。電気工事士という国家資格を持った専門職員が在籍しているならば専門業者と言えるでしょう。
専門業者は、家の中の電気回線の中でどこに異常があるのかをテスターなどの計測機器などで確認して突き止めます。
専門業者に点検を依頼した時の費用相場は約2時間の作業で1万5千円程度です。実際に漏電個所を見つけた場合は別途修理費や材料費を請求されます。
専門業者が点検や修理を行っている間は電気を使うことが出来ませんので、多少不便なこともありますが空き家なので問題はないでしょう。
どうしても電気を使った清掃や作業などを行う場合は別の日に改めたほうがよさそうです。
漏電の調査費用を確認したい場合は以下のホームページを参考にしてください。
漏電の調査費用(漏電修理110番)
https://www.rouden110.com/
空き家の漏電を直す方法は専門業者に依頼し、屋内の電線なのか、分電盤などの機器なのかどこに原因があるのかを特定してもらうことになります。
専門業者は最終的に「ここだ」と分かる部分まで調査を行います。原因となる箇所を突き止めた後は、問題のある機器や回線の修理をあわせて行ってくれます。
漏電箇所にも寄りますが、修理代は10,000円~30,000円の範囲で納まるようです。
ただし、分電盤や漏電ブレーカーなど主要な機器が故障している場合はその取替えが必要になります。
40アンペア~60アンペア対応の分電盤を使うので、交換費用は工賃も含めて30,000円~50,000円程度になります。
空き家の場合はめったに人が電気を使わないのであわてて修理をすることもないでしょう。使わないときは分電盤にあるメインブレーカーをオフにして屋内に電気が供給されないようにしておけば漏電は止まります。
また電気そのものを空き家で使うことがまったくない場合は電気契約そのものを解除してしまっておくのも方法の1つです。
その場合、空き家の掃除などで電気が使えないので人力で掃除をするか発電機を持ち込んで電気を使うかのいずれかを選ぶことになります。
管理上の出費を抑えるか、管理上必要最低限の電気契約を残しておくかいずれかの方法が選択可能ですので今後の空き家の使い道を踏まえて検討してください。
なお、ブレーカーの種類や修理方法の目安は以下のホームページに参考情報が掲載されています。
ブレーカーの種類と修理費用の目安(家仲間コム)
https://www.ienakama.com/electric/tips/page/?tid=1656
空き家の漏電が失火の原因になるのは、漏れた電気に燃えやすいものが接触するからです。
漏電にもさまざまな事例がありますが、ありがちなのは屋内の回線がむき出しになって火花が出ているような状態のところで、天井板や柱などに火花が飛び散ってそれが発火して火事になる場合です。
屋内の回線がむき出しになるのは回線そのものの劣化もありますが、空き家内に住み着いたねずみがかじってしまった場合も同様の状態になります。
回線がむき出しになると線香花火のような火花が出つづける状態になり、可燃物がそこに接触すると発火して火災が起こります。
さらに火花が出ている部分に雨漏りなどが原因となって水分が接触すると火花の勢いが増すので回線そのものを覆っている被膜が熱で溶けて発火するという最悪の状態になります。
空き家ともなれば築年数をかなり経過した建物もあるでしょうが、一般的に回線の耐用年数は30年から40年といわれています。
温度の高い場所やそうでない場所とでは回線の耐用年数はさらに変わってきます。
漏電が起きることは耐用年数が近づいているサインでもあるので、もし漏電になったら家中の回線をチェックしておくのがよいでしょう。
失火を防ぐには回線を正常な状態に維持しておくことが第一です。
あと、ねずみが空き家に住み着かないように出入り口となりうる場所をふさいだり、住み着いてしまったねずみは徹底的に駆除しておくことも忘れないでください。
空き家で電気を使わないことが明らかな場合は分電盤のメインブレーカーをオフにしておくのが漏電による失火を防ぐ一番の方法です。
今は空き家だが、やがて誰かが住み始めるような予定がある場合は、定期的に通電させて回線や分電盤が正常であるかを確認するべきです。
回線や分電盤は使っても使わなくても自然に劣化しますから、以前よかったといってもある日いきなり漏電してしまう場合も十分にあります。
掃除などでどうしても電気を使うときだけブレーカーをオンにして、それ以外のときはオフにしておく癖をつければ漏電による失火は十分に防げます。
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