もともと雨樋は高い位置にあることもあり、不具合があっても気が付きにくい場所です。
特に空き家の場合、住んでいないので実際に雨樋に異変があっても気が付きにくい箇所になります。それに作業する場合は高所になるので、定期的に掃除をすることも難しいために管理が放置されてしまいます。
少なくとも空き家の管理上、1ヶ月に1回程度、あるいは強風や台風など天候の変化があった後には確認した方がいいでしょう。
ここでは、雨樋の修理に必要な判断材料として、修理すべきケースや修理費用などを調べてみました。そして、雨樋の管理を放置したままにすることで起こりうるトラブルの中でも代表的な4つのトラブルをご紹介します。
空き家の雨樋は、隣接の民家や道路等に雨水があふれていたり、外れて飛散する恐れがある場合は修理を行うべきです。
雨樋がなければ屋根からそのままいたるところに雨水が流れ出て、家全体が湿気を帯びて劣化が進んでしまいます。そのまま放置しているとカビや雨漏りなどが発生し管理に手間がかかるようになります。
雨樋を修理するか否かの判断は非常に難しいです。まずは第三者に迷惑をかける事態にならないかどうかや修理費用がどの程度必要かを考慮して決定するとよいでしょう。
まず、雨樋が倒壊したり飛散するなどして、第三者にケガを負わせたり第三者の財産を傷つけるようなことにならないようにするべきです。
特に大雨と強風が一度にやってくる台風の場合、大雨で雨樋に多くの雨水が流れることで負荷がかかり、そこに強風による揺れ加わると雨樋が外れて落下する恐れがあります。
雨樋が外れるとそこから雨水が漏れ、隣家や周辺道路に流れ出て隣人や周辺の住民に迷惑をかけてしまうことにもなりかねません。
空き家を将来的に居住用として用いる場合はもちろんですが、当面無人のまま管理する場合でも第三者への悪影響を与えない範囲で必要な修理を行いましょう。
ただし、将来的に空き家を解体する予定などがある場合はこの限りではありません。解体までの間必要最低限の維持管理は必要ですが、修理まで行う必要はないかもしれません。
雨樋の修理は業者に依頼する場合が一般的ですが、部分的な亀裂などの場合はDIYスキルを持っている個人でも対応できる場合があります。
また、部分的な亀裂などはホームセンターで材料を購入できるためスピーディーに修繕が可能な場合もあります。
まずはさまざまな修理の方法や費用を調べてみました。
雨樋の修理方法としては、1つの雨樋を丸ごと交換する「取り換え」と、部品や金具の一部を交換したり亀裂を穴埋めする「部分補修」があります。
実際に修理を請け負える業者には建具店、ハウスメーカー、リフォーム専門業者などがあります。
業者に依頼した場合、かかる費用は以下のようになります。
取り換え時に費用が掛かるのは足場代です。足場を組む作業員の人件費、足場のレンタル費用が加算されるので修理費用全体も割高になります。
ですが、1階部分など足場を必要としない部分のみの補修になればその分安価になるので修理費用全体も抑制できるかもしれません。
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雨樋の部品(L字パイプなど)は工賃込み1万円程度で取り換えが可能です。また、破損しているひび割れはパテで埋めて補修することも可能です。
修理の前に雨樋に詰まっている土や枯葉などを除去する必要がありますが、これも業者に依頼すれば作業の一環としてやってくれます。別途費用を請求されるかどうかはその業者次第です。
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雨樋の修理を自分で行う場合、まず高所で作業するために必要な道具を確保する必要があります。
一般的には脚立を使うことを思いつきますが、高所から落下してケガをするケースも多いので、自分の身長より高い場所での作業は行わない方がよいでしょう。
足場などは個人でレンタルすることも可能ですが、それを1人で組み上げるのは至難の業です。ですので、2階の雨樋などを自分で修繕しようとすればその分値段も時間もかかると考えた方がいいでしょう。
実際に個人で作業できる部分と言えば、1階の雨樋でかつ高所でない場所のひび割れ程度と考えた方がよさそうです。ひび割れ程度ならパテで埋めて修繕することが可能です。
パテはホームセンターなどで100ml800円程度の値段で販売されています。必要な分量の商品を購入すれば必要最低限の費用で部分補修が可能です。
雨樋の処分を考えている場合、まずは雨樋が無くなった後に雨水を流すルートが確保されていることを重視しましょう。
特に、雨水が隣地や周辺道路に流れ出るのは絶対に避けるべきです。
雨樋の処分を行う場合は、あくまでも「新しい雨樋を設置して撤去された古い雨樋を処分する」ケースのみにしましょう。
業者に処分を依頼した場合、処分は以下のようになると思われます。
取り換えの時も処分の時も、費用が掛かるのは足場代です。足場を組む作業員の人件費、足場のレンタル費用が大きくなってしまいます。
ですが、自分で全部雨樋を撤去してその処分だけを依頼するならば、雨樋の総量分だけの処分費で済みますから、8万円~15万円程度の負担で済むかもしれません。
雨樋を自分で処分する場合に考慮すべきなのは、使用する道具や解体後の廃棄物の運搬手段、そしてなにより廃棄物を引き取ってくれる場所の確保です。
解体が無事に済んでも、廃棄物を運ぶために軽トラックは最低でも必要です。これらを無料で借りることができれば問題はありませんが、有料で借りる場合は結果的に業者に処分してもらう方が安価で済む場合もあります。
解体した廃棄物は、地域のクリーンセンターなど自治体の処理施設に持ち込んで処分することも可能ですが、自治体によっては引き取らない場合や有料で引き取る場合など様々なケースがあるので、あらかじめ自治体の担当課に問い合わせておきましょう。
雨樋には雨水が流れている時もあればそうでない場合もあります。
季節によっては雨水が流れない時期もありますが、そうなると雨樋に枯葉や土砂が堆積して雨水が流れにくくなります。流れにくくなった雨樋は途中から雨水があふれたりする場合もあり、あふれた雨水が隣接する民家に流れ込むことにもなりかねません。
また、雨の降り方によっては思わぬ時に雨水があふれ出すことがあります。台風などの大雨だけでなく一時的なゲリラ豪雨でも雨水があふれ出す可能性があるので気象情報には十分注意しておきましょう。
枯葉や土砂がたまらないよう定期的な清掃を行うことが必要不可欠です。
屋根に登ったり脚立に登っての作業が難しい場合は、便利屋に依頼するのも方法の1つです。
便利屋に依頼した場合は1時間1名5千円~1万円程度で依頼できますが、自分で行う場合には高圧洗浄機(1台1万5千円程度)を購入して吹き飛ばせば比較的楽に作業できます。
脚立などに登ることを苦にしない人もいるでしょうが、高所から落下すると大ケガを負う恐れがあるので、自分の身長より高い位置での作業はあまりお勧めできます。いらぬケガを防ぐためにも業者などに依頼することを検討してください。
雨樋に詰まった枯葉は雨に濡れるたびに湿気を含み重くなります。その重みに雨樋が耐えられなくなれば雨樋が落下する場合もがあります。
雨樋は枯葉や土砂がたまりやすい環境になっていますが、いつも掃除ができる場所ではありません。急な雷雨や強風が襲えばその分土砂も枯葉もたまりやすくなりますが、すぐに取り除くなどの対応できるわけではありません。
雨樋が落下すればそこから雨水が漏れ出しますし、落下した雨樋が隣家の設備を破損してしまう場合もあります。
定期的に枯葉や土砂の清掃をすれば解決しますが、台風や大雨の直後など枯葉や土砂がたまりやすい気象条件の後に確認することも必要です。自身が遠くに住んでいてすぐに確認ができない場合は、便利屋や警備会社に依頼して駆けつけてもらうのも方法の1つです。
また、根本的に枯葉がたまらないように庭木を剪定することもおすすめです。特に高く生長する樹木は根本的に処分してしまうことも検討しましょう。
空き家の樹木の処分については「空き家の樹木は処分すべき?安価で処分する方法」にも詳しく掲載しています。
雨樋が破損すると行き場を失った雨水がどこに向かうかと言えば、隙間などを伝って室内に侵入する可能性が高まります。破損はしていなくとも枯葉や土砂がたまっていれば当然雨水はあふれ、同じく壁を伝って室内におよび雨漏りの原因になることがあります。
また家屋には通気口が設置されていますが、通気口は床下だけでなく屋根のすぐ下の壁に設置されていることもあります。
これらの通気口に雨樋からあふれた雨水が入り込むと、天井裏に直接雨水が入り込むことになり雨漏りが激しくなるため、台風やゲリラ豪雨の直後は注意が必要です。
雨漏りは放置したままだと空き家が劣化してしまいますから、当然何らかの方法で雨漏りを直す必要があります。
また今後の雨漏りを防ぐためにも雨樋は直しておくべきです。壊れている部分のみを直す場合は1カ所に付き1万円~3万円の費用がかかります。
ただし、自分で直そうとするのは少々危険です。高所での作業になるため転落するとケガをする場合もあるのでやめておきましょう。
雨樋の修繕に係る費用の相場は以下のホームページにも詳しく掲載されています。
雨樋の修理を考えている人必見!(リフォームジャーナル)
https://reform-journal.jp/gutter-repair-51049
雨樋が破損したままになればその分雨水が空き家そのものに悪影響を与えることとなり湿気が溜まりやすくなります。
家屋にとって湿気は耐久性を左右するもので、湿気が溜まればその分構造体や屋根などが劣化する可能性も高まり、湿気のせいでカビが発生すれば室内の壁紙などが劣化することにもなります。
この状態が長期間続けば空き家の劣化が進み、場合によっては構造体そのものが劣化したことによる家屋の傾きや壁面のひび割れなどが発生する可能性があります。
将来的に空き家に誰かが住むことを想定していたり、空き家を賃貸や売却のいずれかの方法で第三者にゆだねることを想定している場合、空き家の劣化は看過できません。
空き家の湿気を除去するには定期的な換気が必要です。天気が良く風も適度に吹いている時をねらって半日程度換気すれば空き家内の湿気はかなり除去できます。
除湿器を空き家の中で動作させておくのも方法の1つですが、電気の契約を維持していないと除湿器は動作しませんし家電製品を長時間にわたって運転させていると発火など火災の原因になることもありあまりお勧めできません。
もし空き家に自動換気システムなどが備わっている場合は24時間それを動作させておくことをお勧めします。その際どうしても電気契約は維持しておかなくてはなりませんが空き家が劣化するよりはましでしょう。
空き家の雨樋が破損しただけで空き家そのものが劣化したり破損したりして、その後の空き家の利用に支障をきたすことはご理解いただけたでしょうか。
空き家の管理上、周辺の住民に迷惑をかけないだけの維持管理は必須ですから、上記のトラブルに至らないように雨樋の維持管理や必要な修繕は行うべきです。
特に最近は「ゲリラ豪雨」など呼ばれる短時間で猛烈な雨が降ることも多くなり、いくら手入れをしていても雨樋のトラブルが生じてしまうこともあります。
天候の急変や大雨・台風など、雨樋に悪影響を及ぼすと思われる気象状況になった場合は、まず直後に雨樋を確認することをお勧めします。
少なくとも、雨樋の破損を防ぐために年2回程度の清掃作業は必須です。泥や枯葉などを取りだすだけで雨水の滞留を防ぐことにもつながります。家庭用の高圧洗浄機などを使えば短時間で掃除は可能なのでぜひ一度行ってみてはいかがでしょうか。
自身が遠くに住んでいるなどの事情で直後に確認できない場合は、便利屋など有料のサービスを利用して確認してもらうこともぜひご検討ください。
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