最近は「移住」を推進する地方が増えているため、空き家を利用すると移住者へ自治体が補助金を出すことも増えています。
空き家を購入し、定住する人には購入やリフォームの補助金を交付している自治体もあります。
では実際に空き家を購入する人に補助金が出るまでの流れと、補助金をもらうことのメリットとはどのようなものなのでしょうか。
地方の自治体では、人口の減少が大きな問題となっていることもあり、人口の増加を図るために様々な移住・定住対策を講じています。
その中で特に力を入れているのは、人口の減少と共に居住者がいなくなった空き家の売却や貸し付けを推進するために定住者に対して住宅購入時に補助金を出す制度です。
一般的に補助金の対象となる基準は、次のとおりです。
これらの基準は一般的なものであり、自治体によっては差異がありますから詳しくはそれぞれの自治体に確認してください。
これらの条件はすべてを満たさなければ補助金がもらえないことになっていることが多いで、実際に交付を受ける場合にはあらかじめ確認しておきましょう。
定住のための補助金ですから、実際に定住することを確認できるだけの材料を用意してほしい、と言うのが自治体の本音です。
また、これらの補助金は空き家の取得に係る補助金ですが、これとは別に空き家の改築や補修などに別途補助制度を設けている自治体もあるので、空き家の購入時に一緒に改築もしておいて住みやすい住環境を手に入れましょう。
コロナウィルスの影響により、人口が多い都会から少ない地方へと移住を考えている方が増えています。そして、移住者を受け入れる自治体側も、空き家を解消するため移住支援金を用意しています。実際にその例を見ていきましょう。
洲本市への移住・定住を応援する移住支援制度があります。空き家を購入した方に向けて、機能回復、設備改善に要する費用として40~80万円。家財道具などの処分の費用や、引っ越し費用がそれぞれ50,000円。
東京圏から日光市に移住した方を対象に最大100万円の移住支援金の支給があります。栃木県の企業情報掲載サイトの求人に就職した方あるいは起業された方などいくつか条件があります。
日光市は空き店舗などで新たに事業を開始しようとする方に対して、支払った家賃の一部を補助する制度があります。月額家賃の2分の1で、ひと月50,000円を上限としてあります。新しい町で事業を行いたいと考えている方には、こういった補助金もうれしいですね。
移住したいと思っていても、下見で現地へ行ったりするのにもお金がかかります。どんな空き家なのか、パソコンの画面ではなく実際に見てみたいという方は多いはずです。とここでは、移住したいと思っている方がその地域を見学ができる「移住応援プラン」を紹介します。
北海道移住に興味があるという方に朗報です。遠いからなかなか下見で現地に行くのが難しいと思っているのであれば、「帯広・十勝移住応援プラン」がある今がチャンスです。
道外から |
60,000円/人 |
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道内から |
30,000円/人 |
滞在は何泊でもできますが、助成額を上回る差額はご自分で負担することになります。利用条件としては、「十勝管内の企業を1社以上訪問する方」となっており、滞在中に帯広市の移住担当者と情報交換できる方、「ジョブジョブとかち」へ情報公開している方ということになっています。
地元が帯広という方は、IターンでもUターンでも使うことができます。もちろん、訪問した企業や面接を受けた企業への採用面接や就職を強制するものではないので安心して利用することができます。
催行期間は2020年9月中旬~3月中旬頃となっており、定員に達し次第終了となりますので、興味がある方は早めにご利用ください。
「移住体験ツアー」、「短期移住体験」、「いしかわ子育て移住ツアー」などが企画されており、実際に移住を考えている方に体験してもらうツアーが用意されています。
コロナで移動が不安な方であれば、石川県へ移住したいという方や、古民家や空き家などで昔ながらの風情漂う生活をしたいという方に向けたオンラインセミナーがあります。
以下のサイトでは、全国の自治体が設けている補助金制度を確認できますのでぜひご活用ください。
全国補助金一覧|空き家の補助金・助成金の都道府県別リスト
http://akiya-takumi.com/subsidy/
2021年グリーン住宅ポイント制度がはじまりました。リフォームを行うとリフォームに応じてポイントをもらえる、お得にリフォームできるチャンスです。
これらの対象者は30万ポイントをもらうことができ、「住宅の除却に伴い購入する中古住宅」であれば、プラス15万ポイントがもらえます。
「住宅の除却」に関しては上の3つの項目と組み合わせることができるしくみです。
もしも、住宅を除却して空き家バンク登録住宅を購入すれば、45万ポイントの申請ができます。
中古住宅といっても、新しいものもあれば古いものもあります。そのため、中古住宅の対象期間として「令和1年12月14日以前に完成している住宅」、完成日と売買契約の期間が「令和2年12月15日~令和3年10月31日までに売買契約したもの」として定められています。
詳しい情報は姉妹サイトをご覧ください。
姉妹サイトはこちら:元業界人が暴露!失敗しないためのお風呂リフォーム完全ガイド
北海道 鶴居村 |
空き家バンクモデル助成事業補助金 |
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岩手県 盛岡市 |
盛岡市空き家等改修事業補助金制度 |
岩手県 岩手町 |
岩手町空き家活用型UIJターン推進事業 |
岩手県 大槌町 |
大槌町空き家リフォーム支援補助金 |
宮城県 塩竈市 |
空き家改修工事助成事業 |
宮城県 栗原市 |
栗原市空き家リフォーム助成事業 |
東京都 八王子市 |
空き家利活用促進整備補助金 |
神奈川県 海老名市 |
海老名市空き家活用促進リフォーム助成事業 |
神奈川県 二宮町 |
空き家リフォーム補助金 |
神奈川県 清川村 |
清川村空き家賃貸用住宅リフォーム補助金 |
新潟県 新潟市 |
空き家活用推進事業(移住定住活用タイプ) |
新潟県 上越市 |
空き家定住促進利活用補助金 |
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お住まいの町の補助金が知りたい方はこちらのサイトでご確認ください。
地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和3年度版)
ここからは自分が管理している空き家を定住希望者にどのように売るか、その方法について解説します。
空き家に「譲ります」と看板を掲げていても、なかなか電話をしてくれる人は少ないもので、一般的には不動産会社に依頼して仲介してもらうのが正攻法です。
ただし、昨今空き家を取り巻く環境は変わりつつあって、自治体の立場から言わせれば「空き家を放置したままになると防犯面や環境面で危険」とも言えるため、自治体が率先して空き家の売却を仲介する仕組みを設けている場合も多くなりました。
また、前述したように空き家購入時の補助金制度もできたので、空き家を移住希望者に売るには絶好のチャンスになっています。
実際には、これからご紹介する方法が空き家の売却には現実的な選択肢と言えます。それぞれのメリットも詳しくご紹介します。
定住者向けに空き家を仲介する自治体が必ずと言っていいほど運営しているのが「空き家バンク」と呼ばれる空き家のデータベースです。
空き家バンクは、自治体内の空き家の詳細を登録して、例えば「3LDKの空き家」「畑付きの空き家」「洋式トイレの空き家」など、条件設定をして検索することができるデータベースとなっています。
またこれらのデータベースは、インターネット上のサイトやスマートフォンのアプリ形式など、様々な方法で24時間検索することができ、気になった物件について電子メールや電話で自治体に問い合わせることが可能です。
空き家バンクは無料で利用することができ、会員登録をしておけば希望する物件の新着情報などがメールで送信されたりするサービスもあります。
自治体によっては空き家バンクの有人窓口を設置しており、そこでは移住・定住推進のために様々なサービスを一緒に受け付けていることが多いです。
有人窓口に出向けば、空き家バンクの情報だけでなく、就職情報や生活環境情報など様々な情報を一度に入手できるので、希望者にとっては他の相談事も出来て利用しやすいでしょう。
空き家を売却する私たちにとっては、自治体のお墨付きがある優良物件として紹介されるので売却するチャンスが確実に増えるのがメリットです。
https://www.iju-join.jp/akiyabank/
空き家を第三者に売買する場合は、やはり不動産会社に登録するのが一番確実です。
世の中には「ハウスドゥ」「三井のリハウス」「SUUMO」などの総合サイトに登録する方法もありますし、近所で店舗を構えている不動産会社に依頼して仲介してもらう方法もあります。
実際に不動産を売却する時には、個人で買い手を見つけることがむずかしいのは確かなことですから、不動産会社に仲介を依頼することで買い手探しの手間を軽減することになります。
そもそも「仲介」とは不動産会社が売主にかわって買主を見つけるための活動のほか、売買契約書作成や重要事項説明等の手続きを行うことを言い、売却が成立すればその報酬として仲介手数料を受け取ることになります。
あなたの空き家を高く売りたい場合は、まず空き家の価値がどれくらいあるかを自分で調べておきます。固定資産税の評価額が空き家の価値の参考になるので、少なくとも固定資産税の評価額以上では売買できるように考えましょう。
もちろん、不動産会社も複数ある中から選ぶ必要がありますが、自分の空き家を最も高く売ってくれる会社に依頼すればいいでしょう。
最近では不動産売買の一括見積もりを依頼できる以下のようなサイトもあるので、ぜひ活用してください。
日本全国で移住ブームが起きている今日この頃、当然移住希望者がさまざまな情報を入手するにはインターネットを活用することが多いです。
最近では、移住希望者向けに専用ホームページを作成している自治体や支援団体がたくさんあるのですが、特にお勧めしたいのは以下のホームページです。
https://www.iju-join.jp/feature_cont/file/058/
これらの移住者向けホームページでは、移住者向けに補助金の情報を掲載しているだけでなく、移住にあたって準備・検討すべき事項の紹介や、空き家などの住居情報も多数掲載されています。
これらのホームページに自身の空き家を掲載してもらえば、購入希望者が見つかりやすくなりますから、直接アプローチしてみてもよいでしょう。
直接アプローチする場合は、住居や周辺の様子が分かる写真だけでなく、トイレや浴槽などの室内設備の分かる写真や周辺の生活環境を理解できるよう学校などの公共施設、店舗などの生活インフラ系施設の写真も撮影しましょう。
あと、住居の図面や主要な設備のスペックもあわせて紹介すると、その住居の耐用年数等を踏まえて購入を検討しやすくなるので、細かい資料も一緒に添えてアプローチすることをお勧めします。
定住希望者が運よくあなたの空き家を見つけて「購入したい」と申し出てくることも、あなたの努力次第では十分可能なことはご理解いただけたでしょう。
定住希望者に空き家を売ることになると、あなたにどのようなメリットやデメリットがあるのかをぜひ考えてみましょう。
メリットは何と言っても「空き家の管理をしなくて済むようになる」という事と、空き家を売った分だけあなたに収入が得られたことです。
空き家の管理のために、休日に時間を割いて帰郷していたり、誰かに有料で草抜きや室内の掃除を依頼している場合も多いですが、時間やお金がかかっていたそれらの手間がかからなくなるので経済的にも負担が減ります。
また、お住まいの自治体によっては、移住者だけでなく、空き家を提供する側にもメリットがあるように働きかけてくれるところもあるので、調べてみるのもおすすめです。
故郷に畑などの物件もあわせて所有していた場合、空き家の購入者に合わせて譲ったり貸したりするだけでも管理の負担が減るのであなた自身の時間を大事にすることが出来るでしょう。
一方、空き家を売却した時のデメリットは、購入時にはわからなかった設備の破損や住居の不良など、買主から後になって補償などを求められる「売った物件の瑕疵」です。
そうならないように、前もって設備の破損は修繕しておくことや、一緒に下見をして傷の有無を確認し購入後にクレームが生じないように相互理解して媒介契約を結ぶことを忘れないでください。
空き家の管理は長い期間携わっていると、金銭的な負担ももちろんですが、休日の貴重な時間を空き家の管理に費やすなど、精神的な負担や肉体的な負担も蓄積されていきます。
「田舎の家だから売れない」と諦めていた人にとって、定住希望者の登場はある意味「救世主」でもあるわけです。
ふるさとの家を手放すのは少々気が引けるかもしれませんが、管理が不十分になって周辺の人に迷惑を掛けてしまうよりは、せっかくの住居を有効に活用してもらうことを優先するべきです。
まずはあなたの空き家にどの程度の価値があるのかや、移住希望者が田舎暮らしをエンジョイできる環境の有無など、興味を持ってもらえるポイント探しから始めましょう。
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