空き家で損をしないための節税方法!かかる税金を完全網羅

空き家にかかる税金を完全網羅!損をしないための節税方法

空き家の節税方法

空き家を所有していると、それだけで税金を課税される場合があります。

 

でも、空き家を持っているから税金は仕方がないとあきらめるのは早いです。

 

条件を満たす場合には、空き家にかかる税金を減免することも可能です。

 

特に空き家にかかる税金について節税が可能な場合もありますので、特に気にかけて欲しい4種類の税金について詳しくご紹介します。

 

空き家の固定資産税と節税の方法

毎年1月1日時点で土地や建物を持っていると課税されるのが固定資産税です。

 

固定資産税は居住の有無に関係ないので空き家にも課税されますが、一定の条件を満たす場合は減免することができます。

 

空き家にかかる固定資産税の目安

固定資産税は、該当する建物や土地を持っているとそれだけで課税されます。

 

複数の人が共有して使用していても、課税されるのは納税責任者と呼ばれる代表者のみに課税されます。

 

固定資産税は市区町村が定める「課税標準」を使って建物や土地の価値を決めて、その価値に税率を掛けて算定します。

 

例えば、建物の場合は建築にかかった費用の約6割を「再建築価格」とし、さらに経年劣化による再建築価格の減算をしたうえで課税標準を決めます。

 

そのため、建物の構造や屋根の形状、床・壁・天井に用いている材質が高価であればあるほど課税標準は変わってきます。

 

土地の場合は空き家が存在する場合とそうでない場合で課税額が変わります。

 

具体的には、空き家があるだけで土地分の課税額が本来の額の6分の1に減税されます。

 

例えば土地の価格を3000万円、建物の価格を500万円として計算すると、固定資産税額は次のとおりとなります。

 

Ⅰ更地の住宅用地の場合
  • (土地分)3,000万円×1.4%=420,000円
Ⅱ空き家のある住宅用地の場合
  • (土地分)3,000万円×1.4%×1/6=70,000円
  • (建物分)500万円×1.4%=70,000円
  • (合計)140,000円

 

固定資産税については、以下のホームページも詳しいのでご覧ください。

 

固定資産税はいくらかかるもの?知っておきたい課税額の計算方法(BIZKARTE)
https://biz.moneyforward.com/blog/22434

 

節税の方法

減免を受けるのに特別な申請は不要です。

 

固定資産税が課税される基準日(毎年1月1日)の時点で条件を満たす状態にしておくだけです。

 

もし年度途中で空き家を解体しても、次にやってくる1月1日の時点で減免が受けられなくなるだけで年度途中に税金が増えることはありません。

 

気を付けたいのは、管理が不十分で周辺の住民に迷惑をかけているような空き家を対象とする「特定空き家」に指定されないことです。

 

指定された場合は罰則や強制的に空き家を解体される場合があったり、税金の減免もしてもらえなくなります。

空き家の都市計画税と節税の方法

空き家の都市計画税と節税の方法

空き家にかかる税金には「都市計画税」もあります。

 

都市計画税は自治体が定める土地計画区域の中にある建物や土地に対して課税されるものです。

 

もちろん、一定の条件を満たす場合は都市計画税を減免することができます。

 

空き家にかかる都市計画税の目安

都市計画税は、毎年1月1日時点で土地や建物を持っている人に課税されます。

 

ただし、固定資産税と都市計画税を比べると多少違いがあります。

 

固定資産税は建物や土地を持っていれば無条件で課税されるのに対して、都市計画税は自治体が定める「都市計画区域」に該当する地域内にある建物や土地に対して課税されます。

 

都市計画区域は下水道や道路など都市機能を整備することが望ましい地域として自治体が定めるもので、農業が盛んな地域や人口の少ない過疎地域では未指定の場合も多く、それらの地域では都市計画税が課税されていません。

 

もし年度途中で空き家を手放したとしても既に支払った都市計画税は還付されません。

 

一般的には売買契約の際に既に支払っている税金を月割計算して、土地や建物の売買金額に加算することになります。

 

都市計画税は、対象となる土地や建物の使用有無や居住有無は関係ないので当然空き家にも課税されますが、一定の条件を満たす場合は減免してもらうことができます。

 

土地の場合、そこに住居が建っている場合「税金の特例」が適用され、都市計画税は減税されます。

 

減税額は土地の面積によって異なり、200㎡までの「小規模住宅用地」は本来の額の3分の1、200平方メートルを超える「一般住宅用地」は本来の額の3分の2まで減税されます。

 

 

一般的な住宅(2階建て・3LDK)の減税例

それでは、具体的な減税額を一般的な住宅(2階建て・3LDK)を建てている土地の広さで考えてみましょう。

 

平成29年度の地価公示価格から算出すると、全国の宅地における1坪あたりの平均単価は約55万円、宅地1つ当たりの平均坪数は55坪です。

 

つまり、平均的な宅地における都市計画税の課税標準額は55万円×55坪=3025万円となりますので、これに0.3%の税率を加えて都市計画税を計算します。

 

小規模住宅用地であったとして、実際に減税された場合とそうでない場合の金額を比較してみましょう。

 

1 減税されない場合
  • 3,025万円×0.3%=90,750円
2 減税された場合
  • 1,008万円×0.3%=30,240円

 

比較してみると、60510円の減税になることが分かりました。

 

どんなに古い空き家でも存在するだけでこれだけ節税できるなら、手間暇かけて管理をしてもまんざらではないでしょう。

 

節税の方法

減免を受けるのに特別な申請は不要です。

 

都市計画税が課税される基準日(毎年1月1日)の時点で条件を満たす状態にしておくだけです。

 

空き家を解体しなければそれだけで減免を受けられます。

 

注意したいのは「特定空き家」に指定されないことで、固定資産税の場合と同様に指定されてしまうと税金の減免がされなくなります。

空き家の譲与税と節税の方法

空き家を手放した場合には一定の収入が得られる場合もがあります。

 

空き家を束成した場合は譲渡所得が得られますが、それに対して課税されるのが「贈与税」です。

 

贈与税には減免はありませんが、一定の条件を満たす場合は控除額が加算されて実質的に非課税と同じことになる場合もあります。

 

空き家の譲与で得た収入には特別控除がある

 

空き家を譲渡した時にかかる譲渡所得には、条件を満たす場合に3000万円の特別控除を受けられます。

 

具体的な条件は次のとおりです。

 

なお、すべての条件を満たさないと特別控除を受けることはできません。

 

  1. 両親等から譲り受けた空き家で直近に両親等が住んでいた空き家
  2. 事業用物件や賃貸物件として全く用いていない空き家
  3. 平成28年4月1日~平成31年3月31日までに譲渡した空き家

 

仮に譲渡所得を長期譲渡所得(譲渡所得のうち所有期間が5年以上の資産を譲渡する時に得られる所得)と計算した場合、税率は所得税15.315%+住民税5%となり、税率の合計は20.315%となります。

 

実際に3000万円の特別控除の恩恵を受けると3000万円×20.315%分と県際して、約600万円の減税ができます。

 

節税の方法

譲渡所得は国に申告をしなければ特別控除が受けられません。自身の住所地の所管税務署に出向いて申告をしましょう。

 

また、電子申告(e-tax)で申告することも出来ます。電子申告は事前に登録したマイナンバーカードやカードリーダーが必要ですので、行う場合は税務署に問い合わせましょう。

 

なお、申告する時期は毎年2月~3月の間の「確定申告」を受け付ける時期と同じ時期になります。

 

必要な書類は無くさないように時期が来るまで保管しておきましょう。

 

確定申告や電子申告(e-tax)を行う場合には、以下のホームページを参考にして準備をしましょう。

 

確定申告の基礎知識から申告の方法まで(Freee株式会社)
https://www.freee.co.jp/kb/kb-kakuteishinkoku/perfect-guide/

空き家の相続税と節税の方法

空き家の相続税と節税の方法

空き家に関する税金としては相続税もあります。土地や建物は財産の1つですから、相続した場合それらの価値によって相続税が課税されます。

 

ただし、相続した土地や建物の面積によっては相続税が減免される場合もあります。

 

小規模宅地を相続した場合には減免してもらえる場合もある

比較的小さな宅地を相続した場合に相続税が一定の割合で減税される特例を受けられる可能性があります。

 

もともと居住用の宅地を相続した場合の相続税には減免制度があったのですが、平成27年度に改正された時に面積が拡大され、現在では330㎡(約100坪)までの宅地を相続した場合に相続税が80%減額されるようになっています。

 

また、減税特例の対象者も今回の改正で大きく拡大されています。

 

今までは故人から相続した場合にしか対象にならなかったものが、被相続人が要介護または要支援認定を受けている場合や介護施設に入所しているなど、身体や精神上の理由がある場合は生前相続の場合でも減税特例が受けられるようになりました。

 

節税の方法

相続税は国に申告をしなければ特別控除が受けられません。自身の住所地の所管税務署に出向いて申告をしましょう。

 

故人が亡くなったことは自動的に税務署に報告されるので、税務署から死亡届の提出者に対して相続税の申告書類が届きます。

 

相続税は遺産の総額から基礎控除額を引いた金額が1円以上になる場合は必ず申告しなくてはなりません。

 

相続税の特例申請は、相続税の申告を行う時に同時に行います。税務署からの通知に書類が同封されているので必要書類を添付して申請するだけです。

 

なお、相続税の基礎控除額は3000万円+(600万円×法定相続人数)で計算し、法定相続人は故人の配偶者や子どもたちの人数となります。

 

遺産の総額が基礎控除額以下の場合は相続税の申告をする必要はありません。

 

相続税の特例申請については以下のホームページに詳しく掲載されています。

 

小規模宅地等の特例の添付書類まとめ(税理士法人チェスター)
https://chester-tax.com/contents/estate/step5-1-1.html

実家が空き家になって税金を払っていないが大丈夫?

実家が空き家になったことで、請求される固定資産税などを支払い忘れている人やあえて支払わない人もいるでしょう。

 

空き家になった時、空き家の権利を相続すれば税金は自動的に相続人に請求されるのですが、相続までに時間がかかる場合は自治体が一時的に血縁者に税金を請求することになります。

 

この時「相続者が決まってから支払えばいい」と考えていても、自治体はこちらの事情は一切考慮しません。

 

つまり、納付期限を過ぎても税金を納めなければ延滞金や督促手数料をとられてしまうのです。

 

一般的に自治体では「督促状」「催告状」と2種類の方法で未納の税金を請求してきますが、催告状を放置していると最終手段である「差し押さえ」と言う方法も行われます。

 

差し押さえは当該空き家だけではなく、相続人の給与なども対象になることがあります。

 

もし空き家が差し押さえられても税金を納めない場合には、空き家を競売にかけて売却益を未納の税金分として充当されてしまうことになります。

税金関係の相談窓口はどこ?

税金の手続きと聞けば、なんだかめんどくさそうに思いますが、落ち着いて考えればそんなに難しいことはありません。

 

ただし、税金によっては「国の税金」もあれば「都道府県や市区町村の税金」もあります。

 

今回紹介した税金のうち、固定資産税と都市計画税は空き家のある市区町村の税務担当課が窓口になります。

 

譲渡所得の特別控除を受けたい場合は、毎年2月~3月に確定申告をしなくてはなりませんから、自身が住んでいる地域を所管する税務署に出向かなくてはなりません。

 

まとめ

空き家にかかる税金が意外と多いことに気づいていただけたでしょうか。

 

減免の要件を満たしていたとしても、あくまで申請があって減免してくれる仕組みのため、それぞれ必要な書類をそろえて手続きをしなくてはなりません。

 

場合によっては、申請を忘れていて減免を受けられなかったという人もいるかもしれません。

 

税金の場合は、過去5年度間さかのぼって申告等を行うことが出来ます。

 

平成30年度の場合は平成25年度から平成29年度までの過去5年度間の申請を行うことが出来るので、うっかり申請を忘れていた場合はぜひお近くの税務署か自治体の税金窓口に相談してください。

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