空き家の管理は「周辺の住民に迷惑を掛けないように」と思ってやってはいますが、目に見えない部分までは管理が行き届かない場合もあります。特に排水溝は構造上目に触れる場所に存在しないので、つい見逃して悪臭がしてからはじめて何らかの問題があることに気づくことも。
そこで、排水溝から悪臭がする原因を突き止める方法や、悪臭を予防するメンテナンスの方法、それらに必要な費用についてご紹介します。
もし空き家の周辺から悪臭がしていて、空き家の室内外に原因が特定できない場合は排水溝を確認してみましょう。
もし排水溝の中が原因ではない場合は空き家の中にある「排水管」の中を確認してみましょう。
空き家を管理している側からすれば見える部分だけは欠かさずに掃除が出来ていても排水管など目につかない部分は掃除が行き届いていない場合もあります。
排水溝から悪臭が出た時はこの3箇所から来ていることが多いので、まず以下の3箇所を点検してみてください。
なお、以下のホームページには家庭における排水溝の構造などが詳しく紹介されていますので、参考にご覧ください。
掃除しても消えないキッチンの排水溝が臭う3つの原因と対策(水周りトラブル入門)
http://mizumawari-primer.net/drain-stinks-cause.html
下水道に接続している空き家の場合、排水管は当然下水道に接続されているため、間にあるU字トラップに水がたまっていなければ、下水道からの悪臭が空き家の中に流れ込んできて室内に充満する可能性もあります。
U字トラップはトイレや洗面所、キッチンなど排水管のあるところには必ずあるものでそこに溜まった水が蓋の役割を果たします。
その結果、下水道の悪臭やガスはもちろん、ゴキブリやネズミなどの害虫・害獣の侵入を防止する仕組みになっています。
誰かが住んでいれば日常生活で水道を使うので、当然U字トラップに自然に水はたまるのですが空き家の場合は水道を使用しないためU字トラップ内の水が蒸発してふたとなるべき水が無くなってしまうのです。
また、U字トラップ内に水があれば安心と言うわけではありません。
猛暑の時期にはU字トラップ内の水そのものが腐ってしまい悪臭の原因となるので1ヶ月に1回程度は入れ替えや補充をしてやらないといけません。
この場合、水道契約をしていなければ水が出せない状態です。
U字トラップに水をためる程度ならば1つの排水溝に2リットルのペットボトルを2本用意して1分程度かけて流してやれば問題ありません。
また、U字トラップが腐食して破損していると当然交換しないといけません。
U字トラップそのものはホームセンターや通信販売サイトで購入でき、1個につき2,000円~5,000円で購入できるので、DIYが得意な人であれば簡単に交換できるでしょう。
U字トラップの交換は水道業者や工務店に依頼することもでき、この場合の費用は5,000円~8,000円程度となり部品代+工賃程度の費用を支払うことになります。
U字トラップの交換方法は以下のホームページにも詳しく掲載してあります。
排水パイプの交換方法(水道コンシェルジュ)
http://suidoukonsheruju.com/wash-basin-drainage-pipe-replacement
平成になって建築された空き家の台所には流し台に「ディスポーザー」が装備されているところもあります。
ディスポーザーはシンク下に設置可能な生ゴミ粉砕機で、生ゴミを排水とそのまま流してディスポーザーで細かく破砕してそのまま下水道に流すことができる仕組みの機器ですが、生ごみを集めてごみ収集に出す必要が無くなります。
最近の住宅ではごみの手入れを軽減する機器が装備されることが多くなっており、ディスポーザーも標準装備になっているキッチンも多いです。
ですが、ディスポーザーと言っても所詮は機械ですから、掃除やメンテナンスをしないと正常に動作しません。
特に空き家の場合はディスポーザーの掃除まで思い出せない場合もありますから、機器内に残っている生ごみの破砕くずなどに気付かず悪臭を放つまで放置してしまう場合もあるのです。
ディスポーザー自体は取り外して掃除できる部分もありますが、細かいところまで掃除しようとすれば専門業者に清掃作業をしてもらう必要があります。
1回あたりの清掃費用は5,000円程度になります。
空き家によっては浄化槽を設置している家もあるでしょう。
浄化槽は機器を動作させないまま放置していると、中に溜まっている水が腐ったり浄化槽内の汚れが発酵して悪臭が発生する可能性があります。
特に空き家の浄化槽は、使用を休止する前に水を抜いて清掃をしておく必要がありますし、使用を継続する場合には電気契約を継続して浄化槽の分解作用を生み出すブロアーなどの機器が動作し続けるようにしておかなくてはなりません。
もし浄化槽の中に悪臭が生じれば、最悪の場合悪臭が排水溝を逆流して空き家の中に悪臭が漂うことになります。
浄化槽の水抜きは自分自身でもできますが、その後に浄化槽内の清掃をしておかないと悪臭の原因を解消することはできません。
浄化槽の清掃は専門業者に依頼しないとできません。依頼した場合の費用は清掃作業1回あたり30,000円~50,000円程度です。
1ヶ月に1回程度空き家を訪問した時、空き家の中で生ごみのようなにおいがしていて、室内外の様々な部分を確認しても原因が分からない場合は排水溝からの悪臭が発生していることを疑ってみましょう。
また、排水溝を原因とする悪臭がしないように、これから紹介する3か所の清掃やメンテナンスはできる限り行いましょう。
空き家のメンテナンスを実際に行っている不動産会社や大家さんは排水溝から水を流す「通水」を定期的に行っています。
通水とは、1ヶ月に1回程度室内外のすべての蛇口から水を流して、U字トラップ内に水を溜めるようにする動作のことです。
特に夏場は温度が上がってU字トラップ内の水が蒸発してしまいますから、2週間に1回程度は通水させることが必要です。
実際のところ最低でも1か月に1度は家の排水口全てに水を流しましょう。全ての蛇口を開けて1分程度通水すればそれで十分です。
通水をするためには空き家であっても水道の契約を残しておく方が作業もスムーズなのですが、どうしてもそれが難しい場合は水をいっぱいに入れた2リットルのペットボトル2本を排水口の数だけ用意しましょう。
1つの排水口ごとに2リットルのペットボトルを2本程度流し込めば1分間の水道を流したのと同じ効果があります。
あと、意外と忘れてしまうのが洗濯機の排水口です。もともと洗濯機からの排水パイプが接続されているので洗濯機が無いと直接通水することが出来ません。ここへ通水するに水道ではなく先ほど紹介したペットボトルを使う方法しかありません。
あなた自身が遠くに暮らしていて定期的に帰省して通水作業ができない場合は便利屋に作業を依頼する方法もあります。
便利屋に通水を依頼した場合は1回2時間程度の作業となり3,000円~5,000円程度の費用が掛かります。
浄化槽の清掃は素人が出来るものではありません。
法律上浄化槽は定期的な清掃や水質調査が必要とされていますが、実際のところは悪臭がしないように確認をして何らかの異変があった時に清掃を行う程度でも問題はありません。
浄化槽の清掃は素人では難しく専門業者に依頼するしかありません。
清掃の費用は家庭用の浄化槽(5人槽~10人槽)の場合で月1回5,000円程度、清掃は年1回30,000円~50,000円程度かかります。
費用の内訳は浄化槽の動作確認や機器の点検、浄化槽内へバクテリアや薬剤などを投入するための費用です。あわせて一度浄化槽の水を抜いて槽内の清掃を行う費用も含まれています。
専門業者は自治体から指定されることはありません。
見積もりをとってサービスや価格を見比べて空き家の持ち主が決定することが可能です。
1ヶ月に1回は点検や清掃を行っておけば悪臭が発生することはないでしょうから、それぐらいの定期的な作業に対してどの程度の費用が必要なのかを見積もりとして出してもらうといいでしょう。
浄化槽については法律上は定期的な点検が義務付けられているものの、実際にはそこまで厳重に行っている人はいません。
ただ悪臭がして周囲の住民から苦情が出てくることは避けたいので、せめて年に1回は浄化槽の清掃や点検を行っておくことをお勧めします。
詳しい浄化槽についてはこちら
空き家の中に悪臭がしないように、空き家の中の排水口にシールを貼っておけば、排水溝から悪臭が上ってきても物理的にシャットアウトすることが出来ます。
ホームセンターに行けば専用のシールが売られていて、1枚300円程度で販売されているのでこれを購入して貼っておけばよいのですが、節約したい場合はサランラップを代わりに強いておけば代用できます。
シールやサランラップを貼る時はどうしても劣化してしまうので、少なくとも半年に1回ぐらいは交換することを忘れないでください。
ただし、キッチンの排水口だけが臭う場合は、排水溝だけではなくキッチン内部の別の部分から悪臭が発生しているかもしれません。
キッチンの棚や床下収納に古い食品が放置されて腐っているような場合もありますので必ず確認しましょう。
排水溝の清掃や点検は、自分で行うこともできれば専門業者に依頼して行わねば出来ない部分もあります。
まず、自分でできる清掃や点検をしてみてそれでも悪臭が消えない場合は専門業者に依頼することも考えましょう。
自分で点検や掃除をする場合に、まず見ておくべきはU字トラップです。取り外せるようなら取り外して、中に溜まっている生ごみや髪の毛などをしっかりと取り除きましょう。
特にお風呂は髪の毛が奥まで入り込んでいて、おまけに絡んで固まっているので掃除が面倒です。その時は、ホームセンターなどで売っている排水溝用のパイプブラシを使用すると手の届かない場所のゴミを絡め取れます。
1本300円程度で販売しています。パイプブラシを購入する時は排水管の長さをよく見て購入しましょう。キッチンの排水管はシステムキッチンの説明書や仕様書に掲載されているので前もって確認ができます。
説明書や仕様書がない場合は型番を調べてインターネットで検索しても調べることができます。
一般的には重曹にお酢を加えたお手製の洗剤を使えば十分清掃は可能です。重曹とお酢は化学反応で発泡作用が起こり、これらが排水溝の中の嫌なぬめりを落としてくれます。
危険なガスが発生する恐れもないので安全に清掃作業が出来ます。おまけに重曹には消臭効果もあるので悪臭対策にはもってこいのアイテムです。
既に髪の毛や生ごみなどが排水溝に詰まっている時は市販のパイプクリーナーを使いましょう。
ホームセンターでは「業務用パイプクリーナー」として1本800円程度で売られていますが、強力な効き目を発揮する分使い方は慎重にしなくてはなりません。
特に「混ぜてはいけない薬剤」は絶対に守らないと有毒ガスが発生して健康被害を受ける場合があります。
使用時にはマスクやゴム手袋、それにゴーグルを使用してガスの発生の備えることや、ガスが発生しても吸い込んでしまわないように作業場所の換気を行うなど使用上の注意書きどおりに使用してください。
排水溝の清掃や点検は業者に依頼することもできますが、気になるのは料金です。
もちろんそれぞれの作業の手間と時間によって金額は異なりますし、薬剤や洗剤を使用する量や回数によってはそれらの費用をプラスして実費請求されることになります。
排水溝の清掃 | 8,000円~10,000円+薬剤費用別途 |
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U字トラップの交換 | 15,000円~18,000円+薬剤費用・部品代別途 |
台所の排水口清掃 | 15,000円~18,000円+薬剤費用 |
通水作業 | 5,000円~7,000円+水道代実費 |
業者に排水溝の点検や清掃を依頼した時に費用がかさむ原因は「どこに悪臭の原因があるか」によって変わってきます。
悪臭の原因を探しながら作業をしてもらえばその分時間もかかり作業箇所も多くなるので、人件費も時間もかかり費用がアップすることになります。
まずは見積を依頼してどんな作業が必要なのかを確認して、それに基づいて見積もり料金を計算してもらいましょう。
少しでもかかる費用を安価に抑えたいなら複数の業者に見積もりを依頼して比較してから依頼することもお勧めです。
また、通水作業は1ヶ月に1回程度行ってもらうことになりますが、1年間とか半年間とか最初から長期間で依頼すれば割引のある業者もあるので、そこに依頼すれば費用の節約になります。
空き家の排水溝はちょっと放置しただけでも悪臭が発生することがあります。
悪臭のする家を売却しようとしても価値はありません。今後居住したり賃貸物件として使用する予定がある場合は必ず排水溝の清掃や点検を行いましょう。
お金を掛けない空き家の排水溝の悪臭防止方法は昔から意外とあるもので、手間を掛けてそれを行うだけでも悪臭は十分予防できます。
例えば、ボールのように丸めたアルミホイルを排水口のゴミ受けに入れておくだけでも、水と化学反応が発生して金属イオンが生じます。
金属イオンには抗菌効果があるので排水溝のぬめりや悪臭の原因となる雑菌の繁殖を抑制してくれます。
お金を掛けたくない場合でも、ほんの少しの手間を掛けるだけで十分排水溝からの悪臭は予防できるので是非試してみてください。
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