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空き家放置トラブルで損害賠償請求されないために知っておくべきこと

空き家放置で損害賠償されないために

両親が住んでいた実家が空き家になった後、自分が遠くに住んでいるなどの事情で管理が十分に行き届かないこともありえます。

 

特に、管理上最低限と言われる「1ヶ月に1回」の掃除や確認もできない場合は、庭木が伸びすぎたり野良猫などが住みつくことで隣家に迷惑を掛けてしまうこともありえます。

 

実際、樹木の倒壊や瓦など家の部品の飛散などで隣人の家に損害を与えてしまう場合があれば、空き家の管理者であるあなたに損害賠償を求められる場合があります。

 

このページでは、空き家放置トラブルで損害賠償請求されないために知っておくべきこと、実際に損害賠償を求められる4つのケースとその予防策を解説します。

 

地震、風、台風などで生じた空き家損壊による損害賠償

地震、台風による家損壊による損害賠償

日本の住宅は主に木材で造られているので、瓦や壁それに庭木などが倒れて隣家の建物に被害を与える場合があります。

 

空き家が劣化していたり、台風や竜巻で予想外の強風が吹いた場合には最悪の場合、空き家そのものが倒壊してしまうこともありえます。

 

日本建築の空き家だけではなく、西洋建築の空き家であってもスレート瓦などが剥がれて隣家に飛んでいけば、それがガラスにあたって割ってしまうことも十分あります。

 

実際2018年9月上旬に関西地方に上陸した台風21号では、西洋建築の家で使われているスレート瓦やガリバリウム鋼板の外壁が強風ではがれてしまい、それが周辺の民家に飛んでいきガラスを割ったりガレージに置いてある車を破損するなどの被害が出ています。

 

これらのケースは飛んできた部品の原因となった空き家の管理者に損害賠償請求がなされると、修繕費やけがの治療費などを補償する必要が出てきます。

 

なぜなら、あなたの空き家管理がきっちりしていれば、瓦などの部品が飛んでくることが無かったからです。

 

ただし、飛んできた部品が本当に自分の管理する空き家からのものかどうかなどは検証する必要があるでしょう。

 

もちろん、人にけがを負わせた場合も損害賠償請求の対象になります。治療にかかった医療費はもちろん慰謝料程度は負担するケースが多くなってきます。

 

予防策

台風が来る前に屋根に上って破損部分が無いかを確認したり、飛んでいきそうな部品があればいったん取り外すか、台風が接近する前に専門業者に依頼して修理するのが一番です。

 

屋根の修理費用は、3LDK(35坪)2階建ての空き家の場合、スレート瓦をすべて貼りかえると50万程度、その下地(防水シート)もすべて貼りかえるとさらにプラス50万、合計100万円程度は必要になります。

 

場合によっては足場を組んで施工することになるので、足場のレンタル料金がさらにプラスされると合計で130万円程度の費用が掛かるでしょう。

 

日本建築の瓦を貼り換えすることになると、破損している瓦だけの交換をした場合1枚当たり2万円〜3万円程度の費用が掛かります。

 

瓦そのものの金額は1枚5千円程度と考えると例えば、瓦を10枚交換した場合、5000円×10枚で5万円、人件費を3万円としてあわせて8万円程度が瓦の貼り換え費用になると考えてください。

雑草や庭木が伸びる・落書きなど景観悪化による損害賠償

雑草が伸びすぎることで景観を損ねる

雑草や庭木が伸びて他人の土地や住宅にまで伸び切ってしまえば、景観を損ねていることは間違いありません。

 

他人からは当然「切って欲しい」と言う要望がきますから、それに即対応していれば損害賠償に至るようなケースはありませんが、放置しているとリスクは高まります。

 

例えば、伸びた庭木が台風などの強風で折れてしまい、折れた枝が隣の住宅のガラスにあたって破損した場合は、前述の「地震、風、台風による空き家の倒壊」と同じように原因となった樹木の管理者であるあなたに損害賠償を求められるでしょう。

 

第三者から訴えがある場合、それは民法に基づく請求であることが多いです。民法には以下の関連条文があります。

 

【民法第233条】
隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。

 

このように、樹木の場合は越境した側の管理者へ枝の切除を要求できますし、樹木の根っこが越境してきた場合は越境された側が管理者に断りなくその根を切り取ることができます。

 

法律で定められている以上、違法な状態を継続していれば損害賠償を求められて、不服だからと裁判を行ったとしても敗訴する可能性が高いでしょう。

 

あと、空き家に落書きをされていることについて「消して欲しい」と訴えられる場合もあります。

 

これは落書きがあるイコール治安が悪いというネガティブなイメージがあることから、空き巣や泥棒が入りやすくなるので不用心だ、と言うのが苦情の趣旨のようです。

 

主張に一理はありますが、だからと言って実際に空き巣や泥棒が入っても「あなたの管理している空き家の落書きのせいだ」と言われても納得はしづらいものです。

 

空き巣や泥棒の被害はそれを犯した犯人が弁償すべきものですから、あなた自身がそれらに対して賠償の責任を負うものではありません。

 

ただし、空き家周辺の住民との関係悪化を避けたい場合は申し出に従ってに落書きを消すことも考えるべきでしょう。

 

予防策

空き家にある庭木を適度な時期に剪定するか、根元から伐採してしまうかのいずれかの方法があります。

 

植木屋や造園業者に依頼すれば、大人の身長程度の高さの木々であれば剪定は1本3千円程度、伐採は1本5千円程度の費用で剪定してもらえます。

 

高さや幅が大きくなれば剪定や伐採の費用は高額になります。

 

5メートルを超えるような木々の剪定になると1本6千円程度、伐採となると1本1万円程度の費用がかかります。

 

庭木の剪定や伐採については以下のホームページも参考にしてください。

 

庭木の剪定・伐採料金(植木屋革命ホームページ)
https://www.919g.co.jp/price/

火災の場合でも放火の場合は法的な責任はない

管理不十分の場合は放火でも責任を問われる可能性も

空き家は人の目がないので、燃えやすい枯草、ゴミ、紙ゴミなどが落ちていても掃除が行き届かない場合、不審者が放火するリスクはどうしても高くなってしまいます。

 

空き家が放火された場合や管理上の不備による失火が起きた場合、その火災が近隣住宅への延焼などを起こせば責任は回避できないでしょう。

 

放火による火災の場合「失火責任法」と言う法律があり管理者が過失を犯していなかった場合以外は管理者の責任を問われないことになっています。詳しくは以下の条文をご参照ください。

 

【失火責任法】
民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス
※民法第709条の規定は失火の場合にはこれを適用しない。ただし、失火者に重大なる過失がある場合はこの限りではない。

 

ただし、放火の場合は法的な責任がないからといっても、空き家の管理が不十分であったことで火災を防止できなかった責任は残ります。

 

そのため、被害に遭われた方へのお見舞いや丁寧な説明は欠かせないでしょう。

 

あとこの法律では「重大な過失」があれば、損害賠償責任を負うとも書かれていますがここで言う重大な過失とは、放火や自然発火などいずれの場合においても火災が起きる可能性を分かっていながら管理上予防のための対応をしなかった場合を指します。

 

具体的には、空き家なのに人の出入りがしやすくなっていたとか、可燃ごみを屋外で放置していた、空き家の電気回線の漏電を修理せず放置していた、などのケースが「重大な過失」とみなされる場合があります。

 

予防策

空き家から自然発火する可能性としては、漏電やコンセントのトラッキング現象があります。

 

空き家の場合はブレーカーをオフにして通電させていない場合が多いですが、空調換気システムや防犯機器が付いている空き家は通電させたままになっているので、電気関係から生じる失火のリスクは日ごろから考えておきましょう。

 

あと、空き家の場合は家屋の火災保険に個人賠償責任特約に追加しておくと、火災時の損害賠償だけでなく空き家の瓦が飛んで他人の財産などを傷つけた場合でも損害賠償を行うことができるのでぜひ加入しておきましょう。

 

個人賠償責任特約は火災保険の特約なので、1人年間千円程度の費用を追加するだけで加入できるので入っておいても損はありません。

異臭などの衛生環境の悪化による損害賠償

空き家に犬猫等が住みつけば、糞が原因の異臭が生じたりハエが大量発生して衛生環境を悪化させます。

 

犬猫等が子どもでも産めば鳴き声で安眠を妨げられて第三者から対応を求められる場合もあるでしょう。

 

この場合、空き家の管理者であるあなたも被害者と言えるのですが、何らかの実害を受けた時点で早めに対処しておかないと第三者にも被害を及ぼして損害賠償を求められるレベルにまで状況が悪化することもありえます。

 

具体的なケースとしては、空き家に放置されたり誰かに不法投棄されたゴミにハエや蚊が群がって周囲を不衛生にすることや、庭木や空き家の軒下に蜂が巣を作ってその蜂が隣家の住民を刺してしまうことなどが考えられます。

 

これらの実害を起こす要因のすべてが空き家の管理者であるあなたの責任であるかどうかは判断が難しいところです。

 

ですが、一度苦情を受けていてそれを放置してしまった結果、第三者に被害を及ぼす事態になったなら「以前から苦情を申し出ていた」と訴えられるとあなたの立場は弱くなります。

 

だからと言って相手と折り合いがつかず、結果的に裁判にまで持ち込まれると「放置していた」とか「周囲の住民に対して不親切」とマイナスの印象で捉えられて裁判に敗訴する場合も出てくるでしょう。

 

予防策

定期的な管理の回数を増やすことで、野良猫や野良犬などが住み着いてしまうことを予防できますし、蜂の巣などが出来ていてもすぐに見つけて撤去することも可能です。

 

あなたが遠くに住んでいて頻繁に空き家に来ることが出来ない場合は専門業者に清掃などの管理を依頼するのもよいでしょう。

 

空き家管理のペースは依頼する側の都合で決めることができ、一般的には週1回から月1回まで、さまざまな回数で空き家の管理を依頼することが出来ます。

 

例えば、一般的な管理専門会社に月1回のペースで管理を依頼した場合、月額2万円〜3万円のサービス料を支払う必要があります。

 

空き家管理サービスの内容や金額については以下のホームページに詳しく掲載されているので参考にしてください。

 

空き家管理サービスの内容(全国空き家管理促進ネットワーク)
https://kanri-sokushin.net/service

まとめ

 

今回紹介したケースは、空き家の管理をしている人でも思いつかないような事例かもしれませんが、実際に損害賠償の事例として存在したケースです。

 

空き家の管理をする時にはついつい「自分目線」で良しとする場合も多いですが、今回紹介したケースのように状況が悪化すると第三者に実害を与えて損害賠償を命じられるケースもあることは頭に入れておきましょう。

 

逆に、ここまでのトラブルに発展する前に予防策をとっておけば問題になるケースはほとんどありません。

 

専門業者のサービスも利用しながらあらゆるリスクを軽減できるように備えておきましょう。

 

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