空き家に人の気配が無くなると、今まで出てくることも少なかった動物や虫などが空き家の中に住み着いたりトラブルになってしまうケースも少なくありません。
人が住んでいれば、人の気配を警戒して近寄らないのですが、空き家になるとここぞとばかりに近寄って来るようになリやすくなります。
ここでは空き家で特に注意したい害虫・害獣のトラブルとその対策や予防するためのノウハウをまとめました。
害虫や害獣は気が付かないでで放っておくと、近隣に迷惑がかかったり、建物の劣化が早まるなど資産価値の低下を招きますので注意しましょう。
一番気をつけないといけないことは、近隣の環境を悪化させ、周辺の住民に迷惑をかけてしまうことです。
羽アリやシロアリは、空き家の木材を食べながら、その中に巣を作って繁殖することが多い害虫です。
シロアリはご存じのように木材を食べて、家の構造物を破壊する危険性をもたらします。羽アリも同様で、木材の隙間から侵入して繁殖し、衛生的に不衛生な環境をもたらします。
これらの害虫は、湿気の多いところを好みます。やはり、乾いている木材よりも、水分を吸って湿気を多く含んでいる木材の方が「食べやすい」のです。
空き家の中に湿気が滞留しないように、空き家の手入れをしておくことです。
湿気を除去するには、空き家の空気の入れ替えを定期的にすること、水たまりなど湿気がたまりやすい環境を改善することなど、これらの方法を実践すれば予防効果があります。
特に、空き家の中に溜まっている、湿気を含んだ空気の入れ替えは、家全体の寿命を延ばすことにもつながります。
湿気は害虫を引き寄せるだけではなく、空き家全体の木材を劣化させ、家そのものの寿命を短くしてしまうので、しっかりと手入れをすることをお勧めします。
将来的に、空き家に再び人が住む可能性があるのであれば、高額にはなりますが、専門業者による予防をしてもらうこともおすすめです。
ゴキブリが空き家に繁殖するのは、エサとなる食べ残しなどの生ごみが空き家に存在していることが原因です。
空き家なのに生ごみなんかあるわけがないと思うかもしれませんが、空き家になってしまった直後に、始末するのを忘れていた生ごみや、台所の排水管の中に残っていた生ごみなどを餌にして、ゴキブリが繁殖してしまう可能性だってあるのです。
ゴキブリの侵入経路として最も使われやすいのは、水道管や排水管です。特に、空き家になって水道を止めてしまうと、水道管が空洞になり、そこをゴキブリが通過することだって可能です。
実際、空き家となって水道を利用しなくなると、排水トラップ内の水が蒸発してしまい、その結果として満たされていた水によってなされていたふたの役割がなくなってしまいます。
ですから、1ヶ月に1回程度「通水」してふたを作ってやることで、ゴキブリなど害虫の進入経路として水道管が使われてしまうことを防ぐことが出来るのです。
1ヶ月に1回程度、定期的な水道管の通水をお勧めします。
通常の水道管には「排水トラップ」と呼ばれるSの字の曲がっている部分があり、そこに水が一定量溜まることで、水道管の中にふたが出来るようになり、ゴキブリの侵入を防ぐふたの役割を果たすことができます。
もし、空き家にゴキブリが居ついてしまったら、バルサンなどの駆除剤を家じゅうで散布することからはじめましょう。いなくなったと思っても、またゴキブリが住みつくかもしれませんから、1ヶ月に1回程度、定期的に駆除剤を散布する方がよさそうです。
ネズミは、空き家の床下や屋根裏に巣を作ってしまうことがあります。ネコよりも当然小さいですから、小さな隙間や水道管、雨どいなどを通じて家の中に知らない間に侵入してしまうこともあります。
実は、ネズミとゴキブリには意外な因果関係があります。ゴキブリが空き家で暗躍するようになると、それを捕食しようとネズミがやってくるのです。
ネズミが厄介なのは、なんでもかじるその癖です。ネズミは何でもかじってしまうので、室内の電気配線や電話線などをかじってしまい、電線のショートを引き起こしてしまう原因になるのです。
特に空き家であっても電気が通電している場合は、電線の被膜が破れると漏電の危険性が高まります。さらに、漏電している部分がそこが木材にでも接してしまったとたん、火災を発生させることもあるのです。
また、ネズミが住みつけば、そこに糞をしたりするので、不衛生になってしまうことはもちろん、糞や巣の有った部分の床板や天井裏が腐食してしまい、雨漏りや床抜けの原因になってしまうこともあり得ます。
空き家の中にネズミが侵入できそうな隙間があれば、しっかりふさいでおくことです。また、水道や排水管などからネズミが侵入しないように適度な通水をすることもおすすめです。
もし、巣を作ってしまったネズミがいれば、古典的ですが「ネズミ取り」などのアイテムを使って除去することもできます。
最近では、ホームセンターでネズミ除けの忌避剤も販売されているので、通路となりそうな場所にあらかじめ撒いておくことで、予防の効果があるでしょう。
空き家の住人に最もなりやすい動物と言えば、なんといってもネコでしょう。
屋根伝いでも、塀伝いでも、どこからでも侵入することが出来るので、空き家と分かればそこにいついてしまって、住みかにしてしまうのです。
ネコがたくさん子どもを産んでしまえば、周囲の住宅にどんどんネコが増えてきて、糞などの被害もどんどん広がります。
それに、ネコはいたずら好きの面もあるので、さまざまないたずらをするので、空き家の持ち主だけではなく、周りの家にも悪影響を及ぼす可能性があるのです。
また、ネコには発情期があって、独特の声で鳴き声をあげられると、昼も夜もうるさくて仕方がありませんから、これまた近所迷惑になってしまいかねません。
ちなみに、イヌの場合も野良犬が空き家の庭などを好んで住みかにするケースがあります。イヌは縄張り意識がありますから、空き家に居ついてしまうと、糞尿を空き家に垂れ流して悪臭をもたらす場合もあります。
また、空き家の周辺で見かけた人間に吠え掛かるなどの騒音や、見かけた人間に噛みつく危険性なども存在しますから、十分な注意が必要です。
ネコやイヌが空き家にいついてしまうのを防ぐためには、屋根裏や床下など、ネコが入ることができないように、破れている壁などをふさいでおくことです。
あと、家の中の換気をするためにと、わざと小窓を開けておく場合がありますが、ネコは器用なので小窓ぐらいなら開けてそこから家の中に入り込んでしまいますから、それはやめておきましょう。
あと、ホームセンターで売っている動物用の忌避剤も効果がありますので、数種類試してみて、一番効果のある忌避剤を散布してみましょう。
空き家には空からの侵入者もあり得ます。その代表的なのが「ハト」です。空き家に人の気配が無くなったと分かれば、すぐに軒下やベランダなどに巣を作ってしまいます。
もともと鳩は高い気に巣を作る習性がありますから、今どきの二階建て住宅の高さはまさに巣を作るのにうってつけの高さなのです。
そして、鳩が実際に巣を作ってしまうと、そこで当然排泄をすることになります。糞はその下に落ちますから、家は汚れるし、周囲の道路や隣接する民家も汚れてしまうことがあるでしょう。
また、巣に帰って来る時に排泄をすることもありますから、空き家の周辺に糞を落として洗濯物や車を汚してしまう場合も出てきます。
糞の被害を避けるためには、まず鳩が空き家に巣を作らないことが必要不可欠です。鳩は光を放つ物を見ると避ける習性があるとされていますので、ベランダや軒下に光を放つ者を設置するのが対策の1つと言えます。
光を放つアイテムとして、鳥よけのモールなどがホームセンターで販売されています。
モールは、紐でベランダや軒先につるしてぶら下げておくだけで、風に揺られてキラキラ光りますから、効果てきめんです。モールを買うのがめんどくさい場合は、いらなくなったCDをひもで吊り下げておけばキラキラ光って同様の効果もあります。
それでも鳩が寄りついてしまう場合は、ネットを張って物理的に鳩が寄ってこないように対処することも予防策の1つです
。
やめておきたいのは、音を鳴らすことです。音で鳩は追い払えますが、近所の住民に騒音となってしまうのでやめておくべきです。
鳩と同様に空き家に巣を作るのはカラスです。
カラスは人の気配を感じるところには特に近づかないように警戒するのですが、空き家の場合は人がいないので、あっという間に巣を作って根城にしてしまいます。
カラスが巣を作ると、困るのは周りの人たちです。カラスはゴミをあさるのが修正なので、家庭ごみを入れているゴミ袋などは格好の餌食になります。
そのため、空き家の周辺には生ごみなどが散乱して、生活環境が悪化することになります。
カラスが広げてしまった生ごみは、それをめがけて野良イヌや野良ネコ、それにゴキブリなどもやってきますから、カラスの習性は空き家にとって非常に迷惑で、周りの人にも迷惑をかけてしまうことだけは心得ておきましょう。
カラスも鳥ですから、鳩よけ対策と同じようにすれば空き家に近寄ってこないのですが、カラスには「慣れ」があるのです。CDのようにきらきらする程度の光で離れてしまって予防の効果が無くなってしまうのです。
カラスはキラキラする程度の光ではひるみません。そんな時に効果を発揮するのは、プレゼンテーションなどで使うことのあるレーザーポインターです。
レーザーポインターの光を、電線や屋根の上に止まっているカラスに向けて照射することで、カラスが嫌がって近づかなくなります。
レーザーポインターには様々な種類のものがありますが、赤いレーザーよりも、緑のレーザーのほうが強い光を出しますので、カラスに対して効果もてきめんです。
ただし、光が強いレーザーポインターは、かなりの熱量を持っているので、紙切れに火をつけることが出来るぐらいの力を持っていますので、取り扱いには注意してください。
空き家に人がいなくなるということは、人の気配を警戒して近寄らなかった害獣や害虫が逆に近寄って来るようになるということです。
例えば、タヌキやキツネなど、人の気配を警戒してなかなか近寄ってこない動物であっても、人の気配がなければ、空き家は絶好の住みかになりますから、あいている隙間から家の中や床下、あるいは庭の中に侵入してきて、そのまま居ついてしまいます。
最近の空き家は、家と庭があり、そして外塀などで隣接の民家と区切られていることが多いので、一度入り込んでしまうと外からの侵入者が少ないので、住みかにするにはうってつけの環境になってしまうのです。
あと、誰も来ないということは、そこで子作りをして、子孫を増やすこともできることを意味します。
あっという間にそこに動物のコミュニティが出来て、空き家や庭を動物たちが縦横無尽に歩き回る可能性も出てくるのです。
一番の方法は、害虫や害獣の進入経路をふさぐことです。
動物が通れそうな外塀の隙間を埋める、排水管や水道管に定期的に通水する、動物の忌避剤を定期的に空き家の周りに撒くなど、人がいなくても動物たちが侵入してこないように対策を講じることが必要です。
最近では、動物除けの忌避剤もホームセンターなどで売られていますが、効果がどれくらいあるかは、その忌避剤の効果次第です。
いくつかの種類を試してみて、効果があるものを使うことをお勧めします。
空き家の管理が不十分になると、様々なリスクが生じます。一番起きてはいけないことは、周辺の環境を悪化させるようなことと、周辺の住民に迷惑をかけるようなことです。
時代が少子高齢化社会になり、空き家を見かけることが珍しくなくなってきましたが、「空き家の管理は大変だ」と思ってもらえるようにするには、日ごろから他者に迷惑を掛けないように管理をしっかりしておくことが欠かせないのです。
もちろん、空き家となった実家になかなか戻ることができない状況の人もいるでしょうが、周りの人たちに迷惑をかけてしまうよりも、多少の金銭的負担がかかっても、適切な空き家の管理をする方が良いはずです。
幸いにも、最近では様々なサービスが提供されるようになり、民間企業に空き家の管理をお任せすることも容易になりました。
もし、今あなたが空き家の管理で負担を抱えているならば、民間企業のサービスを利用して、負担を軽減する事も考えてみましょう。
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